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【小話】欠席

 谷川の近くの小さな学校に転校生が来てから数日後の、強風の朝。胸騒ぎがして早く登校した一郎と嘉助が、教師に尋ねました。
「先生、又三郎きょう来るのすか」
「高田さんは風邪で欠席です」
「又三郎、休み多いな」
「よく風邪ひくな」
「やっぱりあいつは、また風邪の三郎だな」

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【2020/02/21 07:11 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】発破2

 転校生の三郎を誘って、谷川へ来た子供たち。しばらく遊んでいると、大人が四人、網を持ってこちらにやってきました。一郎が言います。
「発破だぞ。みんな、知らないふりしてろ」
「はっぱ隊?」
「ナンチャン?」
「笑う犬?」
「違う」
 大人の格好は、葉っぱ一枚ではありません。

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【2020/02/20 06:41 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】発破

 ジョバンニたちが眺める窓の外では、空の工兵大隊が演習中。轟音とともに天の川の水が柱のように高く跳ね上がりました。カンパネルラが言います。
「発破だよ、発破だよ」
「葉っぱじゃないよ、カエルだよ」
「カエルじゃないよ、アヒルだよ」
 可愛いコックさんが完成しそうです。

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【2020/02/19 06:50 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】分数

 魔法学校への入学が認められて喜ぶ僕に、専用列車のチケットが届いた。○○駅○月○日○時、4分の39番ホーム発(仮分数を帯分数に直しなさい)。
 ……最後の、算数の問題みたいなのは何だ。39/4を帯分数に直すと、9と3/4? 何で入学前に悩まないといけないんだよ!

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【2020/02/18 06:44 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】芥子2

 ケシの甘い香りを吸って眠ってしまったドロシーとトトを、ケシ畑の外へ運び出した案山子とブリキの樵。しかし、ライオンは重くて運べません。案山子が言いました。
「甘い香りで寝たなら、別の香りで起きるかもしれない」
 二人はスカンクを捕まえ、ライオンの元に向かいました。

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【2020/02/17 06:43 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】芥子

 ケシの甘い香りを吸って眠ってしまったドロシーとトトを、ケシ畑の外へ運び出した案山子とブリキの樵。しかしライオンは重くて運べません。
「発想を変えよう」
 案山子が言いました。
「ケシが動けばいいんだ」
 二人でひたすら草刈りしてケシを取り除き、ライオンを救出しました。

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【2020/02/16 08:11 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】野鼠

 ケシ畑で眠ってしまったドロシーとトトは、案山子とブリキの樵で運び出せても、ライオンは重くて運べません。案山子は野鼠の女王に頼んで、部下に長い紐を一本ずつ持ってこさせます。
「あれも部下ですか」
「違います」
 海鼠が混ざっていますが、紐を咥えてくるのは無理でした。

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【2020/02/15 10:19 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】夜鷹3

 お日さまが東から昇ってきました。普段は夜に活動するよだかは、ぐらぐらするほど眩しいのをこらえて、一生懸命にまっすぐそちらへ飛んでいきます。
「お日さん、お日さん。どうぞ私を、あなたの所へ連れてってください」
「私より、雲のほうが強いよ」
「嫁入りではありません」

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【2020/02/14 07:21 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】強風2

 九月一日、谷川の近くの小さな学校に子供たちが登校すると、教室に、風変わりな格好の男の子がいました。戸惑う子供たち。
 そのとき激しい風が吹き、教室のガラス戸がガタガタ鳴ります。すると嘉助が叫びました。
「ああわかった。あいつは嵐を呼ぶ男だ」
 多分ドラムが得意です。

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【2020/02/13 06:50 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】夜鷹2

 よだかは、実にみにくい鳥です。くちばしは平たくて、耳までさけています。
 自分でもそのことを気にしているよだかは、夕暮れ時になると、大きなマスクをつけて外出します。そして、出会った相手に
「私キレイ……?」
と訊ねるのです。こうして、よだかは都市伝説になりました。

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【2020/02/12 07:04 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】神様

 神様が仰るように天上へ行くため、サウザンクロスで降車しなければいけない。という女の子に、もっと先へ行こうと誘うジョバンニは反論しました。
「そんな神様うその神様だい」
「あなたの神様うその神様よ」
「とんでもねぇあたしゃ神様だよ」
「誰だ今の」
 何か今、違うのいた。

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【2020/02/11 09:03 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】強風

 九月一日、一郎の通う小さな学校に、都会から不思議な少年・三郎が転校してきました。数日を一緒に遊んだ後の、強風の朝。三郎から聞いたばかりの歌を、一郎は夢の中で聞いたのです。
 どっどどどどうど、どどうどどどう、どっどっどりふの大爆笑。
 途中から違う歌になりました。

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【2020/02/10 06:53 】 | 小話 | コメント(0)
2020年1月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1675
ナイス数:452


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【2020/02/09 14:52 】 | 本関係 | コメント(0)
【小話】渡鳥2

 ジョバンニとカンパネルラが車窓から外を見ると、川の中の島に立つ信号手が、両手に持つ旗を振りました。渡り鳥に信号を送るようです。
「右上げて、左上げて、右下げないで、左下げて」
 幾万という鳥の群が、渡ってよいのか駄目なのかわからず、混乱して大渋滞を起こしました。

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【2020/02/09 14:45 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】蝎座
「蝎(さそり)のことならあたし知ってるわ」
 鉄道に乗り合わせた女の子が、ジョバンニとカンパネルラに語りました。
「いたちに追いかけられて逃げる途中で、井戸に落ちたのよ。そのとき蝎は思ったの。『お気のすむまで笑うがいいわ』」
「それは蝎というか、さそり座の女だね」

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【2020/02/08 14:03 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】早口

 牧師と聖歌隊のような衣装をまとった海鼠が五匹、舞台に並んだ。タラッタラ、タラッタラ、タラッタラッタッラッターという音楽に合わせて早口で言う。
「なまむぎなまごめなまなまこ、なまむぎなまごめなまなまこ」
「違う!」
 観客から即座に突っ込みが入った。生海鼠って何だ。

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【2020/02/07 07:01 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】渡鳥

 ジョバンニとカンパネルラが車窓から外を見ると、川の中の島に立つ信号手が、オーケストラの指揮者のように旗を振りました。
「今こそ渡れ渡り鳥」
 幾万という鳥の群が、せわしく鳴きながら飛んで行きます。乗客の一人が双眼鏡で観察しながら、手に持ったカウンタで数えました。

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【2020/02/06 07:00 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】練習

 夜中に一人でセロを練習していると、生意気な口をきく三毛猫に、トロメライの演奏を要求された。翌晩はカッコウの歌の練習に付き合い、翌々晩は子狸の太鼓の練習に付き合い、さらにその次は
「ぬめぬめの練習をしに来ました」
「するな。来るな」
 野海鼠が来た。野海鼠って何だ。

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【2020/02/05 06:48 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】注文

 山奥へ猟に行って、立派な西洋料理店を見つけた紳士二人。看板には『当軒は、注文の多い料理店です』と書いてあります。
 右隣は『注文の多い和食店』、左隣は『注文の多いラーメン店』、向かいは『注文の多い焼肉店』。ここは、注文の多いレストラン街です。焼肉店が特に危険。

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【2020/02/04 06:43 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】看板

 山奥の西洋料理店で、危険な目に遭った紳士二人。都会に帰ってから、行きつけの喫茶店で愚痴をこぼします。
「料理店の入口に、変な看板がかかっててさぁ……」
「それは、こんな看板でしたか?」
 マスターが看板を裏返すと、『当軒は注文の多い喫茶店です』と書いてありました。

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【2020/02/03 07:02 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】夜鷹

 鷹が、よだかの家に押し掛けて言いました。
「親類でもないのに、お前の名が俺に似ているのは気に入らん。改名しろ」
「そんな無茶な」
「俺がいい名を教えてやろう。ヨーダだ」
「最強のジェダイ・マスターみたいな名前ですね」
 よだかの星の光は、ライトセーバーかもしれません。

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【2020/02/02 08:31 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】銀河

 ジョバンニが天気輪の柱の下にいると、どこからか不思議な声が聞こえました。
「プレイステーション、プレイステーション」
 空から据え置き型ゲーム機とゲームソフト『松本零士999』が降ってきましたが、ジョバンニの家にはテレビがありません。本当は銀河ステーションです。

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【2020/02/01 09:50 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】巨人

 父が夜空の星を指差しながら、幼い息子に言いました。
「あれが巨人たちの星だ」
「月で5万年前の死体が見つかったり、木星の衛星ガニメデで優しい宇宙人と遭遇したりするんだね、父ちゃん」
「その次だ」
 『星を継ぐもの』シリーズ三作目は、原題Giants' Starです。

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【2020/01/31 06:59 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】歌声

 お昼に食べようとしたお結びを、うっかり落としてしまったお爺さん。お結びはコロコロ転がって、穴へ落ち込みます。しばらくして、穴の中から歌声が聞こえてきました。
「ぽっぽぽぽぽぽぽっぽー」
「……下にいるのは、鼠先輩かの?」
 曲は『六本木~GIROPPON~』です。

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【2020/01/30 06:48 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】車掌

 ふと気付くと、ジョバンニはカンパネルラとともに銀河鉄道に乗っていました。
「切符を拝見します」
 車両の端で車掌が検札を始めましたが、まるで、透明人間が服を着ているみたいに見えます。
「……ねえカンパネルラ。この列車、どこ行き?」
「惑星大アンドロメダじゃないかな」

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【2020/01/29 06:42 】 | 小話 | コメント(0)
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