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2015年1月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:3900ページ
ナイス数:248ナイス


魍魎の匣 (講談社ノベルス)魍魎の匣 (講談社ノベルス)感想
夫実家。シリーズ二作目。一作目の事件が起きた夏の終わり。木場刑事が、人身事故の列車に乗り合わせたことから、錯綜する事件の幕が開く。少女誘拐予告、バラバラ死体、そして新興宗教? 前作は関口視点で話が進むのに、関口が弱々しくて苦手(幻想小説の作家、とはそういう感受性が大事なのかもしれないが)。本作の武骨で職務熱心な木場刑事の活動は、安心して読める。雑誌記者、鳥口もフットワークが軽くて良い。謎解きの快感。作家・久保の作中作は完成作品として読みたい。最後の彼は、幸せだ。魍魎、とは結局よく分からないことが分かった。
読了日:1月1日 著者:京極夏彦

鉄鼠の檻 (講談社ノベルス)鉄鼠の檻 (講談社ノベルス)感想
夫実家に三作目がないので、飛ばして四作目。一作目から半年後の正月明け。箱根で、来歴不明の寺の禅僧が殺される。これ面白い。事件そのものより、釈迦に始まり禅が中国・日本に伝来して確立する歴史の説明、公案の解釈、高僧との問答とか最高。でもこの辺の理解が結局、真相解明時の「ああ!」という衝撃に繋がるんだよね。それで、殺めた。私はこの動機、許容する。絶対に、先に一作目を読んでいないといけない事件だ。世間は狭い。山下警部補が最初は嫌な奴なのに、僅か数日で凄く変化。関口の頼りなさは、何かもうこれが持ち味の気がしてきた。
読了日:1月2日 著者:京極夏彦

百器徒然袋-雨 (講談社ノベルス)百器徒然袋-雨 (講談社ノベルス)感想
夫実家。破壊神・榎木津探偵が事件を粉砕する。「鳴釜」依頼人が被害者になり、「瓶長」薔薇十字団に組み込まれ、「山颪」被害者・真打ちと遂に会う話。とにかく笑える。こんなに簡単に京極堂が出動してくれるなら、本編の関口は苦労しないで済むのに。と思うが、榎木津のパワーがあって初めて巻き込めるのかなぁ。そして、その榎木津をも巻き込める榎木津父こそが影の最強かもしれない。元警官、こんな探偵社に就職して給料は大丈夫なのか。性格はどんどん適応しているが。関口以外の視点での各人物の描写が興味深いが、榎木津はあまり変わらない。
読了日:1月3日 著者:京極夏彦

百器徒然袋 風 (講談社ノベルス)百器徒然袋 風 (講談社ノベルス)感想
夫実家。外伝二作目、「五徳猫」「雲外鏡」「面霊気」三編。やっと名字を覚えてもらった「僕」が、次々事件の渦中に。榎木津のせいではなく向こうが勝手に喧嘩売ってくるのだが、一冊通した背後関係が発生したために物語のスケールが縮んだ気が。榎木津を巻き込もうと見当違いのところで踊っている事件を、京極堂が常識の範囲内に収めてくれる感じ。榎木津抜きでも解決しそう(絶対無関係で済まないけど)。八方塞がりの状況を破壊神が粉砕するめちゃくちゃな爽快感は、前巻「鳴釜」が最高だな。でも、本編に比べると京極堂が人生楽しそうで何より。
読了日:1月4日 著者:京極夏彦

シェイヨルという名の星 (ハヤカワ文庫SF―人類補完機構シリーズ)シェイヨルという名の星 (ハヤカワ文庫SF―人類補完機構シリーズ)感想
再読。『クラウン・タウンの死婦人』『老いた大地の底で』『帰らぬク・メルのバラッド』『シェイヨルという名の星』四篇、既刊4冊で一番好きな巻。冒頭の年表だけで心躍る。『クラウン・タウン』仏の聖女ジャンヌ・ダルクが下敷きらしいが、“犬娘ド・ジョーンが火刑になる”以外の共通項はない気がする。でも一番好き。「命よりすばらしいものをさがしつづけ、そして命を意味とひきかえにすることが、命の使命でしょう」『ク・メル』ジェストコーストはシリーズ最高にカッコよく、ク・メルは最高の美女だと思う。四篇どれも、歴史を変える大事件。
読了日:1月8日 著者:コードウェイナー・スミス

GOD―神の伝記GOD―神の伝記感想
旧約聖書と、ユダヤ教のヘブル語聖書「タナク」は、含まれる文書は同じだが並びが違う、と初めて知った。タナクに基づき、一人の登場人物として神を描く。多神教ならば、破壊と創造は別の神に役を割り振れるが、神は一人。ヤハウェ、エロヒーム、またはヤハウェ・エロヒームと呼ばれる際、性格が異なるのが興味深い。神は最初から全知全能だと思っていたが、神は何かを行った後で性格の新たな一面を発見し、失敗してやり直したりする。一神教の神には対等の存在がいないため、人間との関係を通してしか自己発見しない。非常に難しいが、面白かった!
読了日:1月12日 著者:ジャックマイルズ

第81Q戦争―人類補完機構 (ハヤカワ文庫SF)第81Q戦争―人類補完機構 (ハヤカワ文庫SF)感想
再読、シリーズ外作品を含む短篇集。人類補完機構創設を描く『マーク・エルフ』『昼下がりの女王』と、光子帆船時代の『青をこころに、一、二と数えよ』が浪漫があって好き。ヴォマクト三姉妹の最後の一人を書かずに著者が亡くなったのが、つくづく残念だ。『酔いどれ船』は、ランボーの詩を知らないと楽しめないのだろうな……。『夢幻世界へ』も、心理劇みたいな四人の人間関係が良い。シリーズ外だと『ナンシー』最高。不幸で幸せな余韻が心に残る。ところで、中国人が本書を読んだら怒らないだろうか。早川書房様、最後の短篇集出してください。
読了日:1月18日 著者:コードウェイナー・スミス


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【2015/02/03 01:27 】 | 本関係 | コメント(0)
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