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2015年9月の読書メーター
読んだ本の数:15冊
読んだページ数:4088ページ
ナイス数:212ナイス


イシ―北米最後の野生インディアン (1970年)イシ―北米最後の野生インディアン (1970年)感想
再読。1911年カリフォルニア州に現れた、絶滅したと思われていたヤヒ族インディアン。丘陵地帯に数十年潜伏し最後の一人となった彼は、サンフランシスコの博物館で、文化人類学者クローバー(著者の夫。夫妻の娘が作家ル=グウィン)らを友として1916年までの余生を過ごす。著者が、自分たちの祖父母や曾祖父母は加州への移住者であり原住民を絶滅させた側である、という認識のもとに冷静に記す、西部開拓史とヤヒ族絶滅の過程には言葉もない。博物館でイシは英語を覚え、「被保護者」ではなく勤務して給料を得、独立したヤヒとして生きた。
読了日:9月3日 著者:シオドーラ・クローバー

know (ハヤカワ文庫JA)know (ハヤカワ文庫JA)感想
初野崎まど。2081年京都。人々の脳に電子葉が移植され、情報取得・保護レベルで格差が生じた社会。情報官僚の御野・連レルは、恩師が残した暗号を解き、一人の少女と出逢う。「私、デートって初めてでした」驚異的な想像力の彼女でも、実体験していないことはまだまだある。知りたい。情報は自由であるべき。科学が求めるものは“全知”。《知る》と《生きる》は同じ現象。事象の地平線。結末で格差解消はいつの間にか実現して、その過程を描写して欲しかったが、他の部分で面白かったのでまぁ良し。しかし、28歳と14歳は犯罪だよね(汗)。
読了日:9月7日 著者:野崎まど

オールウェイズ・カミングホーム〈上〉オールウェイズ・カミングホーム〈上〉感想
再読。2万年後のカリフォルニアに住むケシュ人に関する、現代人から見た文化人類学的レポート。メインは〈石が語る〉という女性の自伝だが、詩や戯曲も含む。日本版にはないが、原書には音楽も付く。『闇の左手』は地球人から見た惑星ゲセンのレポートで、ゲセン民話も挿入されたが、その究極形かも。(未来から見て)過去の超高度文明により汚染された土地や、〈都市〉(ネットワーク拠点、データセンター)も存在するが、基本的にネイティヴ・アメリカン的な生活を送る社会。大谷の住民にとっての化け物“頭がうしろ向きについた人”は恐ろしい。
読了日:9月11日 著者:アーシュラ・K・ル=グィン

オールウェイズ・カミングホーム〈下〉オールウェイズ・カミングホーム〈下〉感想
再読。「それで、ここにおいででしたか、大谷のお方」の感染力。自分までこう挨拶しそうになる(汗)。巻末の資料を読むと〈石が語る〉の物語に登場する事柄が理解できるが、いきなり巻末を読んだ場合、初見の単語に関心を持つのも難しそうだ。ケシュ人の母とコンドル人の父の間に生まれた娘。父との別離で母は心を病み、成長した娘は、再訪した父とともに大谷を出てコンドルの〈都市〉へ。そこは、周囲の全ての民族と戦争する独裁国家だった。新たな名前を得る〈石が語る〉のクライマックスは、タイトルの意味も解って、一気に目の前が開ける思い。
読了日:9月16日 著者:アーシュラ・K・ル=グィン

パパラギ―はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集パパラギ―はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集感想
20世紀初頭、パパラギ(白人)の社会を見て帰国したサモアの酋長が、自国の人々に教えるために記したヨーロッパ文明批判。……という設定のフィクションだと再読直前に知ったが、これをドイツ人が書いたのなら、それはそれで凄い。〈パパラギのからだをおおう腰布とむしろ〉〈丸い金属と重たい紙〉等、物事の喩え方が秀逸。〈喜び勇んでしなくちゃならないが、たいていちっともやりたくない何か、それが職業というもののようである〉最高(笑)。文明をほぼ全否定するが、宣教師が伝えたキリスト教の神についての教えだけは肯定(宣教師も批判)。
読了日:9月17日 著者:岡崎照男,ツイアビ,Tuiavii

はくちょうとおひめさま (世界名作アニメ絵本 (27))はくちょうとおひめさま (世界名作アニメ絵本 (27))感想
五歳娘に購入。魔法で白鳥にされた兄11人を救うため、妹エリサがいら草の上着を編む話。途中、人々が魔女の疑いをかけて、「エリサをひあぶらにすることにしました!」……娘よ、正しくは「火あぶり」だ。
読了日:9月19日 著者:アンデルセン,水端せり

赤いくつ (世界名作アニメ絵本 (14))赤いくつ (世界名作アニメ絵本 (14))感想
五歳娘に購入。ブティック社のアニメ絵本を出先で読んで登録済み。曖昧な記憶頼りで並べて比べたわけではないが、微妙に、本書のほうがマイルドな気がする。……まあ、罪に対して罰が過剰だなぁ、という感想は変わらないのだけれど(汗)。
読了日:9月19日 著者:アンデルセン,福島宏之

神隠しと日本人 (角川ソフィア文庫)神隠しと日本人 (角川ソフィア文庫)感想
読了後の満足感? 読み応え? みたいなものが何か薄いが、文章わかりやすくて事例も豊富、一晩でサラリと読めたので、とっかかりとしては良い本。神隠しを四タイプに分類、生還型(失踪中の記憶有/無)とそれ以外(未帰還、死体発見)では、神隠しを行う「隠し神」が違うのが面白い。強引に攫われるのも「浦島太郎」みたいに異界に招待されるのも、遺された側から見たら突然失踪した事実は同じ。途中、神隠し事例の構成要素を「いつ」「どこで」等に分析し「法則」を見出す部分があるが、多分、これ数量化して追及してくれると非常に私の好みだ。
読了日:9月21日 著者:小松和彦

アナと雪の女王 オラフのすてきななつのひ (ディズニー プレミアム・コレクション)アナと雪の女王 オラフのすてきななつのひ (ディズニー プレミアム・コレクション)感想
五歳娘に購入。オラフの(傍目には)超スリリングな夏の日(笑)。浜辺の砂に寝そべったら一気に溶けそうだが、本人は夏を満喫していて何より。
読了日:9月22日 著者:

アナと雪の女王 ねぇエルサ、あそぼ! (ディズニー プレミアム・コレクション)アナと雪の女王 ねぇエルサ、あそぼ! (ディズニー プレミアム・コレクション)感想
五歳娘に購入。幼少時、氷の魔法の力で、心から楽しく遊ぶエルサとアナ。明日、お父さんお母さんに絶対怒られるけどね(汗)。この思い出も、映画でアナから魔法の記憶を消すときに改変されると思うとちょっと悲しい(最終的に、全部思い出せたのかな?)。
読了日:9月22日 著者:

倭人伝を徹底して読む (朝日文庫)倭人伝を徹底して読む (朝日文庫)感想
再読、職場本棚。1992年刊。漢字一字一字レベルで、倭人伝以前の中国文献や日本の記紀・風土記なども駆使して徹底分析。【倭地】狗邪韓国(朝鮮半島南岸)は倭地。【短里・長里】周、魏・西晋時代の「里」の長さは、他の時代の里(長里)の1/5。短里ならば、女王国の位置は筑紫。【邪馬一国】邪馬臺国の「臺」(台)は中国の天子を指す字で、外国に使うわけがない。本来は壹(壱、一)。【剣・矛】出雲の荒神谷遺跡出土の銅剣358本は、考古学の研究上の用語で「剣」と呼ぶが、文字通り「剣」かは疑問(多分「矛」)。などの主張が面白い。
読了日:9月23日 著者:古田武彦

闇に消えた怪人―グリコ・森永事件の真相 (新潮文庫)闇に消えた怪人―グリコ・森永事件の真相 (新潮文庫)感想
再読。事件当時は小学生で、店頭から菓子が消えた程度しか記憶がなく、こんなに長期間、多種の事件が続いていたのかと驚く。未解決のため、読めば読むほど謎が深まるばかりでスッキリには程遠い。怨恨/金目当て、グリコ関係者、暴力団、左翼、韓国コネクション、X、元警察官、どの説も一理あるが決め手なし(最後に著者なりの予想はある)。でも非常に面白い。江崎グリコの創業以来の歴史や、グリコと森永の社風の違い、食品業界や流通業界の企業心理、“地下水脈”等。この事件と同年に山口組が分裂したんだね。脅迫状が全部載っているのは凄い。
読了日:9月23日 著者:一橋文哉

沈黙のファイル―「瀬島 龍三」とは何だったのか 新潮文庫沈黙のファイル―「瀬島 龍三」とは何だったのか 新潮文庫感想
新聞連載で読み購入、再読。山崎豊子『不毛地帯』(未読)のモデルらしい。陸軍参謀本部作戦課のエリート、敗戦後は東京裁判の証人に立ち、11年間シベリア抑留。帰国後に入社した伊藤忠で専務、会長と出世し、「政界の影のキーマン」となる。凄い経歴だが、元関東軍兵士との対話を読むと、単純に「凄い」と言えなくなる。「瀬島さんはこれからどういう仕事をなさるんですか」「国家のために奉公します」「国家のためとはどういう意味ですか」シベリアの収容所内での日本人同士の吊るし上げ。インドネシアや韓国を相手の賠償ビジネス。これも戦後。
読了日:9月26日 著者:

拉致―知られざる金大中事件 (新潮文庫)拉致―知られざる金大中事件 (新潮文庫)感想
再読。1973年、韓国情報機関KCIAが、東京滞在中の韓国野党政治家・金大中を拉致した事件を再現した小説。結果的に拉致だが、実質は暗殺未遂。私は韓国政治史に疎いため、時の大統領・朴正煕(パククネ現大統領の父)が軍事独裁政権とか、何でここまで金大中を憎悪するのかがピンと来ないが、暗殺を恐れてホテルを転々とする都内の地理がわかるので臨場感。人物名を微妙に変えてある(金厚洛→厚岳など)が、詳しい人なら同定できるだろう。しかし、(史実はどうか知らないが、この小説の)金大中、護衛側に非協力的な警護対象者だな(汗)。
読了日:9月27日 著者:中薗英助

ジャンヌ (角川文庫)ジャンヌ (角川文庫)感想
再読。ジャック・リヴェット監督、サンドリーヌ・ボネール主演の二部映画(邦題『ジャンヌ 愛と自由の天使』『ジャンヌ 薔薇の十字架』)のノベライズ。映画は未見だが、ヴォークールールの町の旅立ちからルーアンの処刑まで、ジャンヌの人生を描く内容としては過不足ないと思う(知識のある人は、あまり新鮮味がないかもしれない)。末尾の監督インタビューのほうが、知らないことばかりで面白い。でも私、監督が名前を挙げている映画ひとつも観たことないけどね(苦笑)。ベッソン監督、ミラ・ジョヴォヴィッチ主演のジャンヌ映画は観たんだが。
読了日:9月27日 著者:朝吹由紀子,ジャックリヴェット


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【2015/10/01 20:54 】 | 本関係 | コメント(0)
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