読んだ本の数:11冊
読んだページ数:3020ページ ナイス数:225ナイス ![]() 引っ越す後輩から、2~5巻を貰った。1巻未読。漫画描いてコミケで売ってた身としては、みおの原稿回は全く笑えん……。墨汁こぼすゆっこはミスだからまだいい。みおの作品に、「面白くない」という理由で勝手に手を加える麻衣は絶対に許せん。……まぁ、みおが手伝ってもらう相手の判断を誤ったのが一番の原因だが……。あと、ノーリードの飼い犬が人を噛みまくったのに「遊んでもらった?」で済ます麻衣と、食べ物で遊ぶ(変なジャムを作る)みお姉も許せん。ちょくちょく本気で立腹して、楽しめない巻だった……。 読了日:2月3日 著者:あらゐけいいち ![]() 職場本棚。88年刊、著者は地質学者で、学部生向け講義を基とした本。私は物理科卒で化学や地学に疎いので、一冊でビッグバンから元素生成、太陽系や惑星形成、地球上の生命誕生後の環境変化までカバーしてくれる本書は非常に有難い。〈核物理学と無機化学とを考え合わせると、地球などの岩石惑星は本来、酸素、マグネシウム、ケイ素、鉄の四元素からできているはず〉(割合は違う)(3章)というのと、地球の鉄が内部の核に集まっておらず大気と混ざったら、大気中の酸素が全部酸化鉄になって無くなってしまう(8章)というのが目から鱗だった。 読了日:2月6日 著者:W.S.ブロッカー ![]() 職場本棚。1978年刊。化石となった動植物の生物的な話や、岩石の出来方、造山運動や氷河期・間氷期で海陸が変化する話、最後に化石人類、とにかくいろいろ面白い。〈砂や泥が堆積してできた堆積岩、地球内のマグマが上昇し、いわゆる火成作用でできた火成岩、これらがあとで熱や圧力の影響で変化した変成岩〉〈化石をふくんでいる岩石は海底や湖底(まれには陸地)にたまってできた堆積岩(地層)〉で、火成岩や変成岩には普通含まれない。言われたら成程。二千万年前の「第1瀬戸内海」、四百万年前の「第2瀬戸内海」って名称でワクワクする。 読了日:2月11日 著者:森下晶 ![]() ミライショウセツ大賞優秀賞。詐欺師だった過去を悔い、普通の生活を送るべく高校入学した瀬田翔馬の額に浮かんだ痣と、発現した能力。同じ痣を持つ同級生・周防氷華梨と出会い、この学校に『アルカナ使い』という能力者がいると知る。長篇1冊ではなく、短篇4話の感じ。翔馬と氷華梨の成長、関係性の進展という意味では一貫しているが、各話の独立性が高いので、唐突に悪い奴が絡んできて倒された気がする(汗)。1冊通しての盛り上がりが薄い……。3話みたいな話は好きだ。未登場の能力者もいるので、さらなる物語が続きそう。ヒノエ先輩ラブ。 読了日:2月15日 著者:射当ユウキ ![]() 職場本棚、1989年刊。第5章までは、超ひも理論が必要とされる背景の説明で、力や電磁気や素粒子、物理学科で習った記憶総復習状態。ファインマン図とか超久々に見た。でもその復習に意味があって、第6章で超ひも理論の説明が始まり、ファインマン図と「閉じたひもの散乱で生じるX型の世界面」の対比を見ると「おおっ!」と思う。成程、ボソンとフェルミオンの変換なのか。「影の世界」ってのは、結局ダークマターなのか何なのか。6次元はプランク長以下に押し込められる。ビッグバン直後、宇宙全体がプランク長以下だった頃は超ひもの宇宙。 読了日:2月16日 著者:広瀬立成 ![]() 職場本棚、再読。博物学者ダーウィンは軍艦ビーグル号の測量航海に同行。艦が測量中は、上陸して周辺を調査旅行する。上巻は、乗艦中の描写はほぼない。1831年12月27日、英国デヴォンポートを出航し、大西洋、南米東岸を南下、1834年1月9日、パタゴニア・ポートセントジュリアンまで。博物学者というのは、動物も植物も魚も昆虫も、気候も地質も化石も、とにかく守備範囲が広くて凄い。行く先々の政治情勢や、西欧人とインディアンとの闘争、その土地の人々の性格や風習、目にする全てのことに関心があって記録する。何もかも面白い。 読了日:2月17日 著者:チャールズ・ダーウィン ![]() 小学生最後の夏、疎開先の島で暮らすぼくは、転入生の少女ミウと出逢う。地球を侵食しながら巨大化する〈涯て〉が出現した世界で、老人タキタは過去を回想し、3Dデザイナーのノイは、終わりつつある世界で自分の仕事の意義に悩む。第3回ハヤカワSFコンテスト佳作。絶賛はしないが、「佳作」と言われると、ああ成程と納得する。「ぼく」パートがめちゃくちゃ素晴らしく、SF抜きのジュヴナイルでもこの作者さん上手いんじゃないかと思う。世界の終わりと夏とボーイ・ミーツ・ガールは相性が良い。但し、自分がこの終わりを迎えるのは絶対に嫌。 読了日:2月17日 著者:つかいまこと ![]() 事故死した女子高生ミツオカ・マツリは、気づくと唄う人形〈真鍮糸雀〉(カナリア)になっていた。灰と煤が降り、人々が歌えなくなった世界で、マエストロに造られ調律師に教育され、高級品として売買される。マツリは老調律師アイレンベルグと暮らすことになるが……。ミライショウセツ大賞優秀賞、テーマ部門「恋と同居」。退廃的でゴージャスで残酷で美しい。歌声シーンが恐ろしいってのが凄いわ。私は好きだが、薦める相手は選ぶ。誰になら薦められるかと考えた結果、『Sound Horizon』好きな人ならドンピシャなのでは、と思った。 読了日:2月19日 著者:諸口正巳 ![]() 職場本棚。マルコ・ポーロと同時代。元の大都(現在の北京)から、ウイグル人の景教僧(キリスト教ネストリウス派)サウマとマルコスが、イェルサレム巡礼目指して旅立つ。ネストリウス派のどこがどう異端なのか、説明読んでもサッパリ解らん(汗)。二人が辿り着いた、モンゴル人が治めるイール汗国のバグダード。そこで何と、元から来たマルコスが景教法主に就任。サウマは法主の推薦により国王の使者として西欧へ赴き、ローマ法王や仏国王、英国王とも面会。しかし、イール汗国でムスリムが勢力を伸ばし、景教は衰退。激動の時代で非常に面白い。 読了日:2月20日 著者:那谷敏郎 ![]() 異様に大人しく浮世離れした雰囲気で、クラスから浮いていた美少女、黒崎麻由。高1二学期の文化祭準備中、僕(黒井光輝)が作業に誘ったのがきっかけで、次第にクラスメイトと関わるようになるが。第16回えんため大賞優秀賞。僕の視点で描かれる黒崎は文句なしに可愛い。しかし、クライマックスそっち行ったか! 超常現象抜きで、全部リアルの範囲内の青春物でまとめて欲しかった気もする。最後の展開が急というか……僕視点の物語で、僕と彼とはずっと接点がないから、この場面で突然関わるしかないんだろうけれど。ゆっくりと、苦痛をもって。 読了日:2月22日 著者:久遠侑 ![]() 職場本棚。著者の作品は『八甲田山死の彷徨』のみ既読だが、元気象庁技官とは知らなかった。研究者・技術者気質満載で、全編めちゃくちゃ面白い。昭和40年、台風観測の最前線、伊豆諸島の火山島・鳥島の気象観測所が噴火の危機に晒される『火の島』。異臭、頻発地震、噴気の異常、海は荒れ、物凄い緊迫感。戦時中の研究者が、材料(北欧女性の髪)不足のため日本女性の髪を用いて開発する『毛髪湿度計』。既に経営者として成功を治めた硝子職人叩き上げ社長が、自身の健康を擲って転倒寒暖計(海中温度の精密測定用)を開発する『ガラスと水銀』。 読了日:2月28日 著者:新田次郎 読書メーター PR |
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