隣家の飼い猫が、玄関先で小さい段ボール箱の中に入って、香箱を組んで座っていた。ピッタリと隙間なくはまって、スフィンクスのように顔だけまっすぐ前を見ている。「……みつしりと詰まってゐるなぁ」と呟くと、猫が「ほう、」と鳴いた。何それ怖い。でも猫はうらやましい。
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