読んだ本の数:12冊
読んだページ数:3045ページ ナイス数:271ナイス ![]() 白澤登場の薬(毒?)回最高! 「周りが深刻に心配しないが激痛を伴うもの」ラッシュが恐ろしい(笑)。「役に立つお薬を作ってるのね」って(笑)。靴屋回扉絵の小人まきみき可愛い。鬼灯様は求人回の扉絵がカッコいい。茄子がスケッチしたお香さん美人。基本的に一番酷い春一(笑)。フィギュア回の扉絵も好きだ。「真面目に裸を作っているという精神が既に相当危ない」名言。恋愛ゲームで真摯にアドバイス入れる腹心。烏頭の的確なwin-win解釈。お香さんの「まぁ~そうなの~」と生け花作品。ルリオの変な解説スキル。今巻も面白かった。 読了日:9月6日 著者:江口夏実 ![]() 再読。「'97新潮文庫の100冊」付。『いちょうの実』で始まり『竜と詩人』で終わる本書、両作とも短いが名品だと思う。『まなづるとダァリヤ』結末が怖い。『ガドルフと百合』『氷河鼠の毛皮』は映像で目に浮かぶ。表題作は、つめくさのあかりを数えて広場を探すのは幻想的で好きだが、着いて以降はいろいろ現実的。でも、全てを過去として回想することで、もう手の届かない夢のよう。『風の又三郎』『銀河鉄道の夜』『グスコーブドリの伝記』の原形(『風野又三郎』は本物の風の子)は創作過程が辿れて興味深いけれど、やはり最終形が良いな。 読了日:9月8日 著者:宮沢賢治 ![]() 高速道路建設中に発見された異世界“希望”。巨人や魔法が存在し、過去の戦争で地形が激変したが、地理的には日本と対応。少女ハママツの危険な一人旅、日本からの支援は声しか届かない。違うところから始まったので藤前はいつ出るんだと思ったが、二日で一気読みなのでストレスは然程なかった。連載を追ってたら少々つらいかも。ハママツの物語は決着したが、コレ“希望”側は却って厄介になって無いか。崖の街はどうなる。ラストに謎が増えた。ファンタジーだと思っていたが、両世界間の関係はSF設定かも。その辺は続きで説明されることを願う。 読了日:9月10日 著者:芝村裕吏 ![]() 再読。『オツベルと象』は、幼少時に読んだ絵本では怖い話だと思っていた。『よだかの星』も『猫の事務所』も『北守将軍と三人兄弟の医者』も良いけれど、結局自分は『銀河鉄道の夜』が一番好きなのだ。硬質で美しい情景と、どことなく切羽詰まった哀しみ、喪失。「なにがしあわせかわからないです。ほんとうにどんなつらいことでもそれがただしいみちを進む中でのできごとなら峠の上りも下りもみんなほんとうの幸福に近づく一あしずつですから。」「ああそうです。ただいちばんのさいわいに至るためにいろいろのかなしみもみんなおぼしめしです。」 読了日:9月13日 著者:宮沢賢治 ![]() 題しか知らなかった1951年の有名SF。流星群の翌朝、人類の大半が失明。一方、栽培されていた三本足歩行植物トリフィドが暴走して人々を襲う。流星を見なかった僅かな人々が集まって組織化、再建を図る。回復の可能性も否定されていない初日に絶望し過ぎと思うが、面白かった。小松左京『こちらニッポン…』は少人数を残して消滅したため、存続・再建だけ考えれば良い(怪物もいない)が、本書は多数の盲目の人々を見捨てるか否かの葛藤が生じる。全員を救うのは無理。解説の、オールディスによる「心地よい破滅」という指摘に物凄く納得した。 読了日:9月13日 著者:ジョン・ウィンダム ![]() 上遠野浩平目当てで購入。漫画も載っているとは驚き。一番面白かったのは創元SF短編賞受賞作、石川宗生『吉田同名』と選評。「“広義”のSF」ってアイデア思いつくのが難しそうだ。飛浩隆『La Poesie sauvage』かなり好みなので、関連作掲載の『NOVA1』『NOVA8』も探そうかな。梶尾真治エマノンシリーズは興味あったけど未読のため、ここで1篇読めてお得だった。森見登美彦は初読み、こういう作風かー。伴名練『なめらかな世界と、その敵』ラストの疾走シーンが圧巻。野崎まど、間違っているのはどれだろう(笑)。 読了日:9月15日 著者: ![]() 再読。〈遠くなだれる灰光と/貨物列車のふるひのなかで/わたくしは湧きあがるかなしさを/きれぎれ青い神話に変へて/開拓記念の楡の広場に/力いっぱい撒いたけれども/小鳥はそれを啄まなかった〉〈こんなやみよののはらのなかをゆくときは/客車のまどはみんな水族館の窓になる〉〈あいつはちやうどいまごろから/つめたい青銅ブロンヅの病室で/透明薔薇の火に燃される〉地質学と天文と音楽と独語と仏教と基督教の語彙が混在し、真似したくても絶対真似できない透徹な世界。妹への哀悼、死の予感。『オホーツク挽歌』が載っていないのが残念。 読了日:9月17日 著者:宮沢賢治 ![]() 遊学館。双子のチュンセ童子とポウセ童子のお話2篇。最近、文庫で読んだばかりの話だけれど、1篇目の終わりの星めぐりの歌のシーンの絵が素敵で、こういうのは絵本ならではだと思った。 読了日:9月19日 著者:宮沢賢治 ![]() 遊学館。原作:宮沢賢治、文・絵:藤城清治。藤城氏の影絵劇を絵本に再構成したものなので、文章は賢治の原文とは異なる。わかりやすくなってはいるけれど、若干断定的かな。完全に意図を掴み切れない魅力、みたいなのは、やっぱり原作を読んだほうがいい。影絵はさすが藤城さん、どのページもものすごく綺麗。一番好きなのは活版所のシーン。 読了日:9月19日 著者:宮沢賢治 ![]() 遊学館。シアターで、本書を原作にした番組を上映中だったが、時間が合わなかったのでそちらは見ていない。可愛い絵でおじさんと牛の一日を描き、太陽や月や地球の説明も挟む。科学絵本としては良いし、確かにシアター向きだと思う。 読了日:9月19日 著者:もりなお ![]() 再読。イラストレーション加賀谷穣(宇宙イラストで有名なKAGAYA氏)。KAGAYAさんで『銀河鉄道の夜』の絵本とあったら買うしかないでしょ! 読メでは書影が出ないが、ぜひAmazonへ行って見ていただきたい。宝石を散りばめたみたいな川の水と輝くススキの野、硝子のような質感のリンドウの花、エッシャーを連想する一面の渡り鳥、透きとおる蠍の火、これぞ宮沢賢治の世界。青年が船の事故について語る場面、無数の泡しか描かれていないのに、恐ろしい緊迫感。私には無理だが、交差法や立体法で見ると立体視できるイラストも掲載。 読了日:9月19日 著者:宮沢賢治 ![]() 明言されていないが恐らく明治頃、琵琶湖疏水付近。早逝した学友・高堂の実家を預かって住み始めた物書きの「私」(綿貫征四郎)。自然豊かな庭と疎水縁で、美しい日本語で飄々と紡がれる日常。花に懸想されたり高堂が現れたり河童が出たり、いろいろ起きるのに、隣のおかみさんも近所の和尚も、訪ねてくる編集者まで「当然のこと」という態度で、「私」もあっさり受け入れるのが可笑しい。大笑はしないがクスッと笑える。「けけけっ」と「カワウソ暮らし」が好き。そして、時々「私」の述懐にはっと胸を衝かれる。しん、とするラストが心に沁みた。 読了日:9月22日 著者:梨木香歩 読書メーター PR |
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