あの坂をのぼれば、海が見えるらしい。 今ぼくは、坂道の半分まで来た。次に、半分の地点から坂の上までの半分の位置に到達する。その次は、半分の半分の半分を通るはず。 このように「半分の半分の……」が無限に続き、ぼくは永久に、坂をのぼり切って海を見ることができない。
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