死火山の裾野に、ベゴというあだ名の大きな黒い石がいました。稜がなくて、卵の両端を少し平たく伸ばしたような形で、非常に気がいいので、他の石たちに何を言われても一度も怒ったことがありません。「ベゴさん。東京へ出たら吉幾三が飼うのかい?」「それは牛(ベコ)だね」
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