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2024年5月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1904
ナイス数:402


三体2 黒暗森林 下 (ハヤカワ文庫SF)三体2 黒暗森林 下 (ハヤカワ文庫SF)感想
幼年期の終わりのように、黄金時代の人々が去っていく。200年後の世界で、冷凍睡眠から目覚めた羅輯。未来の人類は最新鋭の宇宙艦隊を作り上げ、三体世界に勝てると沸き立っていた。面壁者は不要となり、羅輯は計画の終了を告げられる。大史が登場すると安心するよね。猜疑連鎖、暗黒の戦い。”呪文”そのものの効果は予想と合っていたが、それをどう使うと三体世界と対抗できるのかは読むまで分からなかった。同じく日没なのに、1巻とはまるで異なる読後感。もうこれで完結してもいいくらいの結末に思えたが、第三部、どう展開するんだろうな。
読了日:05月03日 著者:劉 慈欣

四色問題 (新潮文庫)四色問題 (新潮文庫)感想
職場本棚。「どんな地図でも四色あれば塗り分けられる」地図製作者には経験的に知られていたが、数学的に証明しようとすると超難問。証明って要素を分解し、証明が可能な別の表現に言い換えないといけないんだね。多面体を平面に投影すると地図になる。オイラーの多面体公式の辺り大好き。面の数+頂点の数=辺の数+2。でも多面体に穴が一つあると+2が0になる。「隣国は五つだけ」定理、不可避集合、可約配置。数学者の長年の格闘の末、最後はコンピュータの計算で証明したが、「コンピュータによる証明は本当に証明か」と大激論。面白かった。
読了日:05月05日 著者:ロビン ウィルソン

ほうかごがかり (電撃文庫)ほうかごがかり (電撃文庫)感想
深夜12時。学校チャイムが鳴り渡り、小6の二森啓は異形が棲む夜の小学校へと召喚された。『ほうかごがかり』の子供たちは、それぞれ担当の『無名不思議(ななふしぎ)』を観察し、記録しなければならない。『Missing』からの読者的には、物理的痛み描写とか心情の抉り方がまだ大人しいよね。蘊蓄係も自分から披露するタイプじゃない。自室で大音量のチャイムが鳴った瞬間の世界の変容はさすが。小学生にして超絶技巧の絵描きの啓、Missing読み返したくなったな。新作に気付いた時には既に3巻まで出てたので、これから続きを買う。
読了日:05月21日 著者:甲田 学人

漫画版 世界の歴史 8 帝国主義と第一次世界大戦 (集英社文庫)漫画版 世界の歴史 8 帝国主義と第一次世界大戦 (集英社文庫)感想
漫画:中村結香/たかや健二。1章1900、パリ万博。2章1825-98、ビスマルクとドイツ統一。軍事より、外交力凄い。3章1878頃-1902、アフリカ探検と侵略。4章1894-1909、日清・日露戦争、伊藤博文暗殺。5章1877頃-1914、オスマン帝国の衰え、バルカン半島混乱、サライェボ事件。6章1913-18、WW1開戦前~終戦。7章1918-21、パリ講和会議~ワシントン体制。8章1923-28、戦後軍縮。前から薄々思っていたが、このシリーズ、学習漫画にしては架空人物に焦点当て過ぎではなかろうか。
読了日:05月25日 著者:

ほうかごがかり2 (電撃文庫)ほうかごがかり2 (電撃文庫)感想
昨年の『かかり』は、7人中4人死亡。今年は何人生き残れるか。個々の『かかり』の子の特性に合わせて生まれる、オーダーメイドの地獄。憧れの存在とかけ離れた自分を嫌悪するイルマ。霊感持ちで、誰かの役に立ちたい菊。苛められ、友達が欲しい留希。何が嫌って、仮に啓たちが無事卒業できても、他校では誰か死んでるし、来年以降も必ず誰か死ぬし、システムそのものの解消は絶対できないってこと。束の間の平穏、表紙の菊可愛い。物理的に痛い描写で著者が本気出してきたよ! 小学校卒業するまで、『ほうかご』じゃなくても安心できないね……。
読了日:05月30日 著者:甲田 学人


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【2024/06/08 16:48 】 | 本関係 | コメント(0)
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