夜、紀伊国坂で、うずくまってしくしく泣いている女性がいた。「どうしました?」 と声をかけると、女性が顔を上げる。その顔は、卵のようにつるんと何もない。「……何で驚かないの?」「私、芳一なので」 芳一は、のっぺらぼうが出ても全く驚かないが、怪談が混ざり過ぎである。
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