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【小話】危急

 テストで、『危急存亡』という四字熟語の意味を書け、という問題が出た。
 解答欄に「気球に乗って空を飛ぼうと思ったけれど、爆発しそうで危ない」と書いて提出すると、赤ペンで「それはめちゃくちゃ危険! 燃料があるので、気球は火気厳禁ですね」と書き込まれて返ってきた。

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【2024/11/14 06:52 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】犬棒

 犬が外を歩いていて、地面に落ちていた木の棒にぶつかった。
 何かいいことがあるかな、それとも悪いことのほうかな、と考えていると、落ちていた棒に
「ボーッと生きてんじゃねーよ!」
と叱られた。そんなところに落ちている棒も、充分ボーッとしていると思う。生きてないけど。

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【2024/11/13 06:51 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】会議

 ヨーロッパ諸国の代表がオーストリア・ウィーンに集まり、国際会議が開催されました。
 フランス革命とナポレオン戦争終結後のヨーロッパ秩序について話し合うはずでしたが、何故かダンスダンスレボリューションが大流行。出席者たちが踊ってばかりで、会議は進みませんでした。

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【2024/11/12 06:46 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】石灸

 「石に灸」という諺がある。「糠に釘」「豆腐に鎹」などと同様、効き目がなく役に立たないことのたとえだ。
 気紛れにお灸をのせてみた石が、実は珪素生命体だったらしい。気に入られて、たくさんの石に、自分にものせろと要求された。よく分からないが、効き目があったようだ。

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【2024/11/11 06:45 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】小判2

 猫の前に、小判を置いてみた。そんな物に関心などない、という感じで、そっぽを向かれた。
 猫の前に、コパン(明治のお菓子)を置いてみようと思ったが、既に販売されていなかった。
 猫の前に、ゴパン(ホームベーカリー)を置いてみようと思ったが、これも既に製造中止だった。

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【2024/11/10 07:28 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】論語

 犬に向かって、論語を読み聞かせてみた。そんなことより遊ぼう、という感じで、ワンワン吠えた。
 犬に向かって、梵語(ぼんご)を読み聞かせてみよう、と思ったが、サンスクリット語など読めるわけもない。諦めて呪文のような字が書かれた本を閉じ、そんなことより犬と遊んだ。

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【2024/11/09 09:49 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】糠釘

 糠(ぬか)に釘を打ち込んでみた。糠が軟らかいため、釘が刺さって止まるところが全くなく、役に立たなかった。
 カヌーに釘を打ち込んでみた。木製で刺さるところはたくさんあるが、一本の丸木をくりぬいて造った舟なので、そもそも釘を打つ意味が全くなく、役に立たなかった。

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【2024/11/08 06:48 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】闇夜

 真っ暗な夜に外を歩いていて、錦の着物を着た女性とぶつかりそうになった。明るいところなら色鮮やかな錦なんだろうが、ほぼ何も見えないな。
 さらに外を歩いていて、小錦とぶつかりそうになった。明るいところなら、もっと前から気付いたんだろうが、闇夜の小錦は見えないな。

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【2024/11/07 06:47 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】開化

 明治の御一新の世になって、はや数年。ちょんまげを切り落として、ザンギリ頭になった人が歩いてきたので、頭を叩いてみた。頭から
「ブンメイカイカ!」
という音が聞こえてきた。なるほど、これが文明開化の音か。
 もう一度、叩いてみた。
「ブンメイアイタ!」
 痛かったらしい。

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【2024/11/06 06:45 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】暴風

 弟に国を追い出され、絶海の孤島に住む、前ミラノ公プロスペロと娘ミランダ。プロスペロは、弟、ナポリ王とその息子が乗る船を魔法の嵐で難破させ、弟たちは島に流れ着きます。テンペストです。
 一行の前に黒柳徹子と久米宏が現れ、歌番組を始めました。それはベストテンです。

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【2024/11/05 06:44 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】林檎

 『最も美しい女神へ』と書かれた林檎が、神々の酒宴に投げ込まれた。
「私のよ」
「いいえ、私よ」
 ヘラ筆頭に女神たちが言い争う。そこに、2個目の林檎投下。
 『林檎をかじると歯茎から血が出る女神へ。男神も可』
 参加していた全ての神々の間で、押し付け合いが繰り広げられた。

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【2024/11/04 06:42 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】暖簾

 暖簾を腕で押して開け、中に入ろうとした。しかし、「暖簾と入り口」に見える、壁に描かれたトリックアートだったので、止まり切れず勢い余って壁に頭突きした。
 『暖簾に腕押し』は押しても手応えがない意味だが、『暖簾(に見える壁)に頭突き』は、固くてめちゃくちゃ痛い。

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【2024/11/03 18:06 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】堂々2

 テストで、『威風堂々』という四字熟語の意味を書け、という問題が出た。
 解答欄に「ドードー鳥が立派な態度で、『もし、ドードーが絶滅していなかったら、と考えてみよ』と言う」と書いて提出すると、赤ペンで「多分、if(イフ)ドードーですね」と書き込まれて返ってきた。

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【2024/11/02 18:04 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】堂々

 テストで、『正々堂々』という四字熟語の意味を書け、という問題が出た。
 解答欄に「ドードー鳥が、かけっこでアリスと真剣勝負する」と書いて提出すると、赤ペンで「不思議の国のアリス、そんな話でしたっけ?」と書き込まれて返ってきた。多分、池で濡れて乾かすために走る。

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【2024/11/01 07:01 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】友達

 子供たちのヒーロー餡パン男のOP曲では、愛と勇気だけが友達だ、と歌っている。
「でもED曲だと、夢と愛を連れて地球をひとっ飛びしてるんだよね」
と言うと、夫が見解を述べた。
「夢は、連れてるだけで友達じゃないんだよ」
 友達じゃないのに連れなのは、子分とかだろうか。

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【2024/10/31 06:59 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】相談

 鬼が仲間に相談した。
「世間はハロウィンだ」
「そうだな」
「人間が仮装して、他人の家を訪ねて回って菓子をもらう日だ」
「まあ、そうだな」
「鬼が混ざっていても目立たないし、誰も豆の準備をしていない。進出のチャンスだ」
 豆菓子を用意していた家があって、投げつけられた。

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【2024/10/30 06:57 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】警告

 スーパーのセルフレジで会計中、別のレジから、ピコンピコンという警告音が聞こえてきた。
(お釣りの取り忘れか何かだろうけど、ウルトラマンのタイマーみたいな音だな)
と思いつつ振り向くと、本当にウルトラマンがレジで焦っていた。三分以内に買い物を済ませるのは大変だ。

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【2024/10/29 07:02 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】周到2

 テストで、『用意周到』という四字熟語の意味を書け、という問題が出た。
 解答欄に「周東は、一塁からでも容易にホームへ帰ってくる」と書いて提出すると、赤ペンで「二塁から走り始めた前の選手を追い越しそうなくらい、足が速かったらしいですね」と書き込まれて返ってきた。

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【2024/10/28 07:01 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】崋山

 渡辺崋山は、江戸時代後期の武士で画家です。三河田原藩の家老を務める一方、西洋画の影響を受けた肖像画や山水画を描きます。蘭学者の高野長英らと親交があり、蛮社の獄で処罰されました。
 崋山に尋ねました。
「桜島の噴火の絵とか、お好きですか」
「その火山ではありません」

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【2024/10/27 10:06 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】牽強

 テストで、『牽強付会』という四字熟語の意味を書け、という問題が出た。
 解答欄に「ナウシカに登場する王蟲を怒らせてしまい、県境が腐海に呑み込まれる」と書いて提出すると、赤ペンで「その県は、王蟲を怒らせるようなこと、何したんですか……」と書き込まれて返ってきた。

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【2024/10/26 07:31 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】豆腐

 豆腐に鎹(かすがい)を打ち込んでみた。豆腐が崩れて鎹が貫通し、全く役に立たなかった。
 豆腐にKasugai(春日井製菓)の「のどにスッキリのどあめ」を打ち込んでみた。豆腐を貫通したあとで、飴が砕け散った。高速で打ち込み過ぎたらしい。とりあえず豆腐は貫通する。

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【2024/10/25 07:54 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】周到

 テストで、『用意周到』という四字熟語の意味を書け、という問題が出た。
 解答欄に「二塁打が出たので、用意しておいた周東を代走に送る」と書いて提出すると、赤ペンで「俊足の周東選手を用意しておけるのは、ソフトバンクか日本代表くらいですね」と書き込まれて返ってきた。

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【2024/10/24 07:52 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】念仏

 馬の耳に向かって、念仏を聞かせてみた。何か音がするけど自分には関係ない、という感じで、聞き流された。
 馬を繋いでいた門の前に立っていた、小僧が経を読めるようになった。記憶力が凄いな、とそれ自体は感心するが、多分、自分が言っている内容が経だとは分かっていない。

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【2024/10/23 07:50 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】真珠2

 豚の前に、真珠を置いてみた。これ餌? と食べようとするので、慌てて回収した。危険。
 豚の前に、陳寿(ちんじゅ)を置いてみた。やはり、これ餌? と食べようとするので、
「こら! わしは『三国志』の著者だぞ! 服の裾を食べるでない!」
 陳寿が叫んで逃げ出した。危険。

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【2024/10/22 07:48 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】真珠

 猫の前に、小判を置いてみた。そんな物に関心などない、という感じで、そっぽを向かれた。
 犬に向かって、論語を読み聞かせてみた。そんなことより遊ぼう、という感じで、ワンワン吠えた。
 豚の前に、真珠を置いてみた。これ餌? と食べようとするので、慌てて回収した。危険。

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【2024/10/21 06:01 】 | 小話 | コメント(0)
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