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【小話】錠前

 村に伝わる手毬唄を老女に聞かせて貰う、チューリップハットにヨレヨレ袴の探偵。
「錠前狂えば鍵合わぬ、鍵が合わねば蔵開かぬ、蔵の中には備蓄米、開かねば米食えぬがどうしよう」
「……悩みが具体的な手鞠唄ですね」
 最後は、蔵の扉を破壊して、米を取り出すことになります。

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【2022/04/01 06:22 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】計量3

 村に伝わる手毬唄を老女に聞かせて貰う、チューリップハットにヨレヨレ袴の探偵。
「大判小判を秤(はかり)にかけて、ババンババンバンバン、アービバビバ」
「ドリフターズですか」
「とぼけた顔してババンバーン」
「ザ・スパイダースですね」
 途中からものすごく楽しそうです。

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【2022/03/31 07:01 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】得意2

 友人(故人)の実家を訪ねて異母妹三人に会った、チューリップハットにヨレヨレ袴の探偵。近隣で、一家の過去話を聞きます。
「三姉妹の母は元は旅役者で、『道成寺(どうじょうじ)』が得意だったんですよ」
「この辺の桜餅は関西風ですか」
 それは道明寺(どうみょうじ)です。

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【2022/03/30 06:40 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】得意

 友人(故人)の実家を訪ねて異母妹三人に会った、チューリップハットにヨレヨレ袴の探偵。近隣で、一家の過去話を聞きます。
「三姉妹の母は元は旅役者で、『道成寺(どうじょうじ)』が得意だったんですよ」
「狸囃子が得意なんですか?」
 それは証城寺(しょうじょうじ)です。

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【2022/03/29 07:13 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】俳句

 友人(故人)の実家を訪ねて島に滞在中、寺に泊まっている、チューリップハットにヨレヨレ袴の探偵。枕屏風に貼ってある色紙の、達筆過ぎる俳句を何とか読み取ります。
「馬糞のそばから出たりみそさざい 正岡子規」
 この句を元に見立て殺人をするのは難しいな、と思いました。

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【2022/03/28 06:26 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】計量2

 村に伝わる手毬唄を老女に聞かせて貰う、チューリップハットにヨレヨレ袴の探偵。
「大判小判を秤(はかり)にかけて、ギャバン・シャリバンも秤にかけて」
「宇宙刑事ですか?」
「スピルバンとジバンも秤にかけて」
「時空戦士と機動刑事ですね」
 二人とも特撮が好きなようです。

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【2022/03/27 08:01 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】計量

 村に伝わる手毬唄を老女に聞かせて貰う、チューリップハットにヨレヨレ袴の探偵。
「おぼん・こぼんを秤(はかり)にかけて」
「……両師匠の体重を計るんですか?」
「それから、カート・コバーンも秤にかけて」
「人選が幅広いですね」
 正しくは、『大判小判を秤にかけて』です。

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【2022/03/26 07:52 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】マス

 村に伝わる手毬唄を老女に聞かせて貰う、チューリップハットにヨレヨレ袴の探偵。
「mas(マス)で計って漏斗(じょうご)で飲んで」
「……今、何で計りました?」
「ミリアークセカンド(1/1000秒角)じゃ」
 非常に小さい円弧の角度の単位です。1秒=1/3600度。

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【2022/03/25 07:00 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】中指

 23年前の殺人事件を調査する、チューリップハットにヨレヨレ袴の探偵。加害者とされる男について、よく知る人物に話を聞きます。
「足の中指が他より長く、靴下が必ず中指から破れる、と言っていました」
「指が長い……E.T.かな?」
 E.T.が長いのは手の人差し指です。

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【2022/03/24 06:22 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】仮面

 財閥創始者の遺産相続に立ち会うことになった、チューリップハットにヨレヨレ袴の探偵。故人の孫の一人(長女の息子)が、頭巾姿で現れた。本当に本人か人々が怪しむと、長女が言う。
「頭巾を取っておやり」
 取ると、下はミル・マスカラスのマスクだった。プロレス好きらしい。

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【2022/03/23 06:13 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】関白4

 羽柴秀吉は、関白に任命されたあとに天皇から姓を賜り、豊臣秀吉になりました。そして、浅井三姉妹の茶々(後の淀殿)が側室となるとき、最初に言います。
「続けて泊まるぞ」
「連泊ですね」
「船じゃ」
「船舶ですね」
「愛知県安城市にある産業文化公園は」
「デンパークですね」

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【2022/03/22 06:15 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】関白3

 羽柴秀吉は、関白に任命されたあとに天皇から姓を賜り、豊臣秀吉になりました。そして、浅井三姉妹の茶々(後の淀殿)が側室となるとき、最初に言います。
「謹んで申し述べる」
「謹白ですね」
「心の臓がドキドキしておる」
「心拍ですね」
「一般住宅に泊まるぞ」
「民泊ですね」

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【2022/03/21 06:55 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】関白2

 羽柴秀吉は、関白に任命されたあとに天皇から姓を賜り、豊臣秀吉になりました。そして、浅井三姉妹の茶々(後の淀殿)が側室となるとき、最初に言います。
「卵の白身は苦手じゃ」
「卵白ですね」
「子が生まれたら、たくましく育ってほしい。丸大ハンバーグ」
「わんぱくですね」

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【2022/03/20 08:15 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】関白

 羽柴秀吉は、関白に任命されたあとに天皇から姓を賜り、豊臣秀吉になりました。そして、浅井三姉妹の茶々(後の淀殿)が側室となるとき、最初に言います。
「言っておきたいことがある」
「関白宣言ですか」
「儂より先に起きてほしいが、昼寝してよいぞ」
「それは有難いですね」

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【2022/03/19 08:13 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】具足

 明け方。敵の夜襲の報告を受けた戦国武将が、家来に命じました。
「湯漬けを持て! 具足を持て!」
 立ったまま湯漬けをかきこんだ武将は、鎧を身に付けると、さらに家来に命じます。
「ダイオウグソクムシを持て!」
 深海に生息する生物なので、ここまで連れてくるのが大変です。

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【2022/03/18 06:19 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】敦盛

 明け方。敵の夜襲の報告を受けた戦国武将が、家来に命じました。
「任天堂スイッチを持て!」
 武将は、『あつまれどうぶつの森』にログイン。
「おのれたぬきち!」
 狸キャラへの怨嗟の言葉を吐いたのち、怒りの勢いで出陣して、勝利を収めました。ゲームの略称は『あつ森』です。

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【2022/03/17 06:59 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】頼政

 平安末期。御所の上を毎晩黒雲が覆い、帝が何かに怯えます。妖怪退治を命じられた源頼政が、黒雲から現れた鵺(ぬえ)を矢で射抜き、鵺は
「小学校の新学期に持っていく雑巾を縫え……」
と鳴きつつ落下。頼政が
「買え」
と言うと、
「縫わなくて良いのだな!」
 帝が安心しました。

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【2022/03/16 07:00 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】戒壇

 奈良時代。勝手に出家する僧が多く乱れた規律を正すため、唐から招かれた高僧・鑑真が、正式に戒律を授けるための戒壇(かいだん)を築きました。
 長い石段を登り降りしなければならなかったり、蝋燭を吹き消しつつ怖い話を聞かなければならなかったりするわけではありません。

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【2022/03/15 06:24 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】義円

 室町幕府五代将軍夭逝後、父の四代義持が政治を行います。しかし後継者を指名せず病に倒れたため、義持の弟四人から籤で次の将軍を選ぶことになりました。
 結果、選ばれた義円(ぎえん)は、SNS上で「ぴえん」と呟きました。悲しくて泣いているのか、嬉し泣きかは不明です。

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【2022/03/14 06:46 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】金閣3

 室町幕府三代将軍義満が、鹿苑寺(いわゆる金閣寺)を建てました。
 西暦24世紀、『ガンダム00』ガンダムマイスターの一人が観光に訪れて言います。
「狙い撃つぜ!」
 それはロックオン・ストラトスの決め台詞ですが、そんな未来まで遺っている文化財を攻撃してはいけません。

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【2022/03/13 08:22 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】諡号

 鎌倉末期に即位した天皇が、平安時代の天皇にあやかって、自分の諡号を「後醍醐」と定めました。家臣が言います。
「スネアドラムをご用意しますか?」
「要らぬ」
 マーチングバンドなどでお馴染みの、スティックで叩く面の反対側に細い金属線が張ってある打楽器は、小太鼓です。

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【2022/03/12 15:42 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】護良

 鎌倉時代末期。後醍醐天皇の皇子・大塔宮は、出家して比叡山で修行していましたが、倒幕運動開始後に還俗し、護良(もりよし)親王となりました。もりなが、と読むこともあります。
 親王の前で、お菓子メーカーのCMの最後の部分を口ずさんではいけません。
「も・り・な・が」

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【2022/03/11 06:16 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】卒業

 小学校のそばを歩いていると、子供たちが声を合わせて台詞を言うのが聞こえてきた。時期的に、卒業式の練習かな。
「卒業式で泣かないと、冷たい人と言われそう!」
「言われそう!」
 それ斉藤由貴。
「あの頃の生き方を、あなたは忘れないで!」
「忘れないで!」
 それはユーミン。

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【2022/03/10 06:30 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】式神

 安倍晴明が、式神として使役している十二天将の顔を、妻が怖がります。仕方なく、式神を家ではなく一条戻橋の下に待機させていましたが、若干不便なので考えました。
「顔が怖くなければよいのだろう?」
 プリキュアのお面を被らせて妻に見せると、余計に気持ち悪がられました。

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【2022/03/09 06:27 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】時鳥3
「鳴かぬなら、鳴かせてみせようホトトギス」
 そう言うと殿は、どこかから幼児を連れてきた。
「とりさんだ!」
「鳥さん、鳴いてくれないんだよ」
「……なかないの?」
 幼児の目がみるみる潤んで泣きそうになり、時鳥は罪悪感に駆られて
「……トッキョ、キョカキョク」
と鳴いた。

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【2022/03/08 06:25 】 | 小話 | コメント(0)
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