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【小話】終日10

 与謝蕪村が、丹後の海を見て詠みました。
「春の海ひねもすのたりのたりかな」
 海沿いの遊歩道で終日(ひねもす)、『八つ墓村』の濃茶の尼が、
「八つ墓明神はお怒りじゃ!」
と人々を追い返そうとします。その様子を見た蕪村が、再度詠みました。
「春の海ひねもす祟り祟りかな」

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【2025/07/13 09:33 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】終日9

 与謝蕪村が、丹後の海を見て詠みました。
「春の海ひねもすのたりのたりかな」
 海辺の家で終日(ひねもす)、住人がテレビで昔から今までの流行歌を紹介する番組を視聴しますが、知らない曲が多いです。その様子を見た蕪村が、再度詠みました。
「春の海ひねもす流行り廃りかな」

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【2025/07/12 08:55 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】終日8

 与謝蕪村が、丹後の海を見て詠みました。
「春の海ひねもすのたりのたりかな」
 海近くの路上で終日(ひねもす)、週刊誌記者に直撃された芸能人が曖昧に答えますが、記者は細かく質問し続けています。その様子を見た蕪村が、再度詠みました。
「春の海ひねもす根掘り葉掘りかな」

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【2025/07/11 07:11 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】終日7

 与謝蕪村が、丹後の海を見て詠みました。
「春の海ひねもすのたりのたりかな」
 海を見下ろす高台で終日(ひねもす)、どこかの高校か大学の山岳部員が、神社の参道の長い階段でトレーニングしています。その様子を見た蕪村が、再度詠みました。
「春の海ひねもす登りくだりかな」

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【2025/07/10 07:08 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】終日6

 与謝蕪村が、丹後の海を見て詠みました。
「春の海ひねもすのたりのたりかな」
 海の近くの道路で終日(ひねもす)、車の運転初心者が、右折が難しいので全て左折で目的地に着けないかと試行錯誤しています。その様子を見た蕪村が、再度詠みました。
「春の海ひねもす左回りかな」

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【2025/07/09 07:57 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】終日5

 与謝蕪村が、丹後の海を見て詠みました。
「春の海ひねもすのたりのたりかな」
 海沿いの遊歩道で終日(ひねもす)、『不思議の国のアリス』のチェシヤ猫が口だけ現れて、訪れる人々を驚かせています。その様子を見た蕪村が、再度詠みました。
「春の海ひねもすニタリニタリかな」

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【2025/07/08 06:27 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】七夕2

 織女が食器棚に食器を片付けようとして、不思議そうに首を傾げました。
「何で、こんなところにビターチョコがあるの?」
 それは棚ビターです。
 その頃、牽牛は倉庫の棚を整理しようとして、驚いて叫びました。
「何で、こんなところでゴルフのパット練習!」
 それは棚パターです。

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【2025/07/07 08:16 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】終日4

 与謝蕪村が、丹後の海を見て詠みました。
「春の海ひねもすのたりのたりかな」
 海の目の前の新規オープンした飲食店で終日(ひねもす)、店長が客の来店を待っていますが、ちらほらとしか客が訪れません。その様子を見た蕪村が、再度詠みました。
「春の海ひねもす一人二人かな」

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【2025/07/06 09:12 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】終日3

 与謝蕪村が、丹後の海を見て詠みました。
「春の海ひねもすのたりのたりかな」
 海辺の家で終日(ひねもす)、暇な人が朝から酒を飲んだり、寝たり起きたりゴロゴロしたり、また飲んだりしています。その様子を見た蕪村が、再度詠みました。
「春の海ひねもすのんべんだらりかな」

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【2025/07/05 10:59 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】終日2

 与謝蕪村が、丹後の海を見て詠みました。
「春の海ひねもすのたりのたりかな」
 海近くの路上で終日(ひねもす)、週刊誌記者に直撃された芸能人が、何を質問されても曖昧な回答でかわし続けています。その様子を見た蕪村が、再度詠みました。
「春の海ひねもすのらりくらりかな」

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【2025/07/04 06:27 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】七夕

 織女が食器棚に食器を片付けようとして、不思議そうに首を傾げました。
「何で、こんなところでバッタが跳ねているの?」
 それは棚バッタです。
 その頃、牽牛は倉庫の棚を整理しようとして、驚いて叫びました。
「何で、こんなところで打者が素振りを!?」
 それは棚バッターです。

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【2025/07/03 06:25 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】終日

 与謝蕪村が、丹後の海を見て詠みました。
「春の海ひねもすのたりのたりかな」
 海に出た舟が終日(ひねもす)、風や潮流に翻弄され、あっちへ行きこっちへ行きを繰り返し、目的地に着けずにいます。その様子を見た蕪村が、再度詠みました。
「春の海ひねもす行ったり来たりかな」

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【2025/07/02 06:58 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】新春

 小林一茶が、門松も立てず掃除もせずありのままに正月を迎えて詠みました。
「めでたさも中くらいなりおらが春」
 訪ねていった知人の家で、金魚の出目金を見せてもらいましたが、思っていたほどには目が大きくなかったので、再度詠みました。
「目デカさも中くらいなりおらが春」

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【2025/07/01 06:25 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】痩蛙

 小林一茶が、夏に2匹のヒキガエルがメスを争っているのを見て、詠みました。
「やせ蛙負けるな一茶これにあり」
 自分以外にもう一人、男性ダンス・ボーカルグループDA PUMPのリーダーも弱い蛙を応援していたので、再度詠みました。
「やせ蛙負けるなISSAこれにあり」

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【2025/06/30 06:23 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】満月5

 与謝蕪村が、菜の花が咲く春の夕暮れ時、沈む夕日と昇ってくる満月の情景を詠みました。
「菜の花や月は東に日は西に」
 太陰暦では満月は必ず15日ですが、太陽暦では変わるので、(今日は何日だっけ)とカレンダーを見てから、再度詠みました。
「菜の花や月は東に日は24に」

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【2025/06/29 08:34 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】満月4

 与謝蕪村が、菜の花が咲く春の夕暮れ時、沈む夕日と昇ってくる満月の情景を詠みました。
「菜の花や月は東に日は西に」
 その後、
「西へ向かった!」
「追え!」
 逃げたヒヒを探す人々の声に(逃げたって、どこから?)と悩みつつ、再度詠みました。
「菜の花や月は東にヒヒは西に」

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【2025/06/28 09:19 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】満月3

 与謝蕪村が、菜の花が咲く春の夕暮れ時、沈む夕日と昇ってくる満月の情景を詠みました。
「菜の花や月は東に日は西に」
 日曜午後に放送されているBS11の競馬番組で、MC東幹久の予想がただ一人的中したのを見て、再度詠みました。
「菜の花やツキは東(あずま)に日は西に」

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【2025/06/27 08:17 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】満月2

 与謝蕪村が、菜の花が咲く春の夕暮れ時、沈む夕日と昇ってくる満月の情景を詠みました。
「菜の花や月は東に日は西に」
 菜の花畑の中を、南の方向へ歩いていましたが、そろそろ日が暮れるので家に帰ろうと思い、歩く向きを変えて、再度詠みました。
「菜の花や次は東に日は西に」

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【2025/06/26 08:16 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】満月

 与謝蕪村が、菜の花が咲く春の夕暮れ時、沈む夕日と昇ってくる満月の情景を詠みました。
「菜の花や月は東に日は西に」
 数ヶ月後、夕方に温泉の露天風呂に入って、夕日と満月を眺めながら、再度詠みました。
「湯の花や月は東に日は西に」
 『湯華掻く』だと、夏の季語らしいです。

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【2025/06/25 08:14 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】大河4

 与謝蕪村が、梅雨の時期の降り続く雨の情景を詠みました。
「五月雨や大河を前に家二軒」
 その後、来年の大河ドラマの主演俳優が、戦国武将の末裔宅を訪ねる番組を見ます。先祖伝来の武具が出てきて俳優が驚く様子を見て、再度詠みました。
「五月雨や(仲野)太賀を前に家に剣」

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【2025/06/24 07:15 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】灯台

 知人に「モトクロス大会に出るから見に来て」と誘われた。
 教えられたとおり、崖の上の灯台を目印に、近くまでは着いたと思うのだが、実際の会場がどこかよく分からない。地元の人に場所を訊くと、
「それなら、あそこに見える灯台の下だよ」
 灯台モトクロス、ならぬ灯台下暗し。

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【2025/06/23 08:03 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】大河3

 与謝蕪村が、梅雨の時期の降り続く雨の情景を詠みました。
「五月雨や大河を前に家二軒」
 その後、アメリカへ旅行します。
「こことここ、昔、有名なプロゴルファーが住んでたんですよ」
「……へぇ?」
 知人に何故か案内されて、再度詠みました。
「五月雨やタイガーの前の家二軒」

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【2025/06/22 08:00 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】大河2

 与謝蕪村が、梅雨の時期の降り続く雨の情景を詠みました。
「五月雨や大河を前に家二軒」
 その後、ユーラシア大陸の寒冷な高緯度地域へ旅行します。亜寒帯に広がる針葉樹の森林地帯と、その近くにある地元住民の村の住居を見て、再度詠みました。
「五月雨やタイガを前に家二軒」

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【2025/06/21 07:59 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】大河

 与謝蕪村が、梅雨の時期の降り続く雨の情景を詠みました。
「五月雨や大河を前に家二軒」
 その後、知人宅を二ヶ所訪問してから帰宅し、ちょうど始まるのに間に合った、日曜夜20時のテレビ番組にチャンネルを合わせて、再度詠みました。
「五月雨や大河(ドラマ)の前に家二軒」

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【2025/06/20 07:56 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】再三

 テストで、『再三再四』という四字熟語の意味を書け、という問題が出た。
 解答欄に「何か新しいことをしようと提案すると、『それは採算が取れない』と何度も何度も突き返される」と書いて提出すると、赤ペンで「どこに何を提案してるんです……?」と書き込まれて返ってきた。

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【2025/06/19 07:55 】 | 小話 | コメント(0)
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