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2017年11月の読書メーター
読んだ本の数:16
読んだページ数:3244
ナイス数:382


太宰治の辞書 (創元推理文庫)太宰治の辞書 (創元推理文庫)感想
待望の〈円紫さんと私〉シリーズ。中堅編集者、妻、中学生の母となった《私》だが、本の謎は尽きない。芥川『舞踏会』、太宰『女生徒』から、太宰の辞書を追う旅へ。『六の宮の姫君』的な話だが、今までとは違う。円紫さんとの会話でほぼ結論が出ており、あとは《私》による確認(明らかにするには必要な作業だが)。最後にスパッと謎が解かれる爽快感を重視するなら、違う構成になったろうと思う。この物語がこう書かれたからには、作者は、本を、知りたいことを追いかける過程そのものを描きたかったのはないか。思わず『女生徒』買ってしまった。
読了日:11月02日 著者:北村 薫

北北西に曇と往け 1巻 (ハルタコミックス)北北西に曇と往け 1巻 (ハルタコミックス)感想
入江作品は『コダマの谷』のみ所有。職場で借りた。アイスランドで、祖父ジャック(フランス人)とともに住む御山慧17歳、探偵業。弟の三知嵩15歳は、日本の叔父夫婦と暮らす、はずだったが。とにかく絵が綺麗! 祖父とカトラさんが、大人の恋愛って感じで素敵。音楽やってるリリヤも、妖精みたいで可愛いし。祖父は鳥、慧は機械の声を聴く力があって、若干ファンタジックな探偵物かと思いきや、事態は不穏になってきて。弟……子供の頃のエピソードとか、何かヤバいよね(汗)。叔父夫婦の死……日本から来た刑事の言い分には根拠があるのか?
読了日:11月09日 著者:入江 亜季

あやかし和菓子屋本舗 1 (B's-LOG COMICS)あやかし和菓子屋本舗 1 (B's-LOG COMICS)感想
頂き物。若竹忠国19歳、和菓子職人見習い。祖父が突然世界旅行へ出かけ、店を任されてしまった! 現れた味見アドバイス役の久助。客は人間とは限らず。妖怪は物でお礼をくれて、貰ったものが順番に次の話で役に立つのが、わらしべ長者みたい。こういう「突然旅行」発端は他でも見たことあるが、任せられる側と客には迷惑だよなぁ(汗)。忠国、本人が旨いと思う味の主観がおかしいだけで、この味と同じ物を作れ(変な物入れずに)と言われたら、舌自体はそこそこ正しいのだろうか。というか本人は謎創作菓子、味見して旨いと思ってるのだろうか。
読了日:11月10日 著者:モリノ

水惑星年代記 (ヤングキングコミックス)水惑星年代記 (ヤングキングコミックス)感想
職場で借りた。軌道エレベーターが実現した近未来が舞台の連作集。でも日常は割とスローライフ。『LETTERS2』茉莉さんと等。これはニヤニヤせざるを得ない(笑)。『キディムナマディムナ』島で絵を描く姫子は、どこへでも行ける。『宇宙を向いて歩こう』中2の八分儀と子獅子。宇宙は僕達のもの。読んでてニヤニヤしてしまうカップルの話が多いね(笑)。『缶詰めのアリス』宇宙船の猫が赤ちゃんを子育て。『フォーリン・ドーナッツ』ヨータとハルちゃん。『窓際のアリス』河原で拾った女の子。各話の登場人物たちのその後を知りたくなる。
読了日:11月11日 著者:大石 まさる

宝石の国(1) (アフタヌーンKC)宝石の国(1) (アフタヌーンKC)感想
TV未視聴。後輩から1-7巻を借りた。『虫と歌』既読だと、もはや何が人型してても驚かない(笑)。遠い未来。砕けても再生する不死の身体を持つ宝石たちは、月人(つきじん)と戦い続ける。薄荷色のフォスフォフィライトは硬度3半。脆くて戦闘に向かないフォスは、「博物誌」編纂の任を与えられるが。目次カラーの勢揃いが超カッコいいが、実は白黒になると私、フォスの顔を見分けられない(汗)。主人公の役回りで判別している……。あまり真面目に博物誌に取り組んでないが、次々トラブル遭遇。仏教チックで無表情な月人がめちゃくちゃ怖い。
読了日:11月20日 著者:市川 春子

宝石の国(2) (アフタヌーンKC)宝石の国(2) (アフタヌーンKC)感想
後輩から1-7巻を借りた。この漫画の表紙、豪華だよな。特殊加工で、ネットで見るより実物はキラキラしてる。唯一カタツムリ(貝の王)の言葉がわかるようになったフォスは、先生の禁止に背き、王と海へ。海の国の伝承。かつてこの星には「にんげん」がいたという。魂・肉・骨。死を持つ者。宝石たちは死なないが、身体欠損すると記憶も失われる。せっかく聞いた重要事実も曖昧に。物凄くトラブルメーカーだが、愛されてるなぁフォス。末っ子だからか。失った足の代替で、制御の難しい脚力を手に入れたフォス。何のために戦うのか。戦場デビュー。
読了日:11月20日 著者:市川 春子

宝石の国(3) (アフタヌーンKC)宝石の国(3) (アフタヌーンKC)感想
後輩から1-7巻を借りた。初戦で動けなかった悔しさから冬眠しなかったフォスは、通常完全な液体で、気温が下がると結晶するアンタークチサイトとともに行動。そんな宝石あるんだなぁ。流氷の不吉な言葉を聞き取るフォス。腕を海中に失い、金と白金で代替を試みるが、アンタークが月に連れ去られ。合金の腕での戦いにも慣れ、笑顔の消えたフォス。「生き物はこんな速さで変わっていくんですね」ラスト見ると、1巻のお気楽フォスが懐かしいよ……。腕はいつかどこかで発見されないだろうか。表紙の内側の隠れる位置に、必ずシンシャがいるんだな。
読了日:11月22日 著者:市川 春子

宝石の国(4) (アフタヌーンKC)宝石の国(4) (アフタヌーンKC)感想
後輩から1-7巻を借りた。春が来たが、フォスの表情は別人。背も高くなった。「あんた性格まで変わったのね」「欠けた身体を別の素材で補うと新しい体質に合わせて自分を作り直すのかしら」にドキッ。彼らのアイデンティティって。でも素材云々より、原因はアンタークを失ったことかな。ボルツの戦闘アドバイスへの返答、物事の捉え方が素直なところは変わってない。1巻より前の戦闘の詳細は不明だが、新型とか新しい事態が続発してる気が。月人が新戦法を編み出すことはよくあるのか、それとも今は異常なのか。ふわふわもこもこ。先生への疑問。
読了日:11月22日 著者:市川 春子

宝石の国(5) (アフタヌーンKC)宝石の国(5) (アフタヌーンKC)感想
後輩から1-7巻を借りた。短時間目覚めたパパラチアに真意を相談するフォス。月人との意思疎通は可能なのか。「根拠なく明るい予感に甘えられてた頃」って昔への自己評価が切ない。瞳の宿った月人も不気味。秘密を探るたび、自分の秘密が増えていく。1巻でのフォスの「夜の見回りよりずっと楽しくて君にしかできない仕事」って言葉、根拠ないまっすぐさでフォスらしく、シンシャにも大事だった。月へ行ったラピス・ラズリの代わりに図書館を管理するゴースト・クオーツと組むことに。博物誌っていう最初の仕事は、どこかで話に効いてくるのかな。
読了日:11月22日 著者:市川 春子

宝石の国(6) (アフタヌーンKC)宝石の国(6) (アフタヌーンKC)感想
後輩から1-7巻を借りた。フォスを庇って、ゴーストの表面が連れ去られた。中にいたのは別人格カンゴーム。アンタークとゴーストが攫われて病みかけるが、昔の明るく元気なフォス復活。今の自分では実力不足だから疑念は一旦沈めておく、って棚上げ判断ができる冷静さは、昔と全然違うが。雪が遅くて冬眠延期。アカンゴーム(笑)。黒雲の中から出てきた遊戯盤。月人との戦いは常に防衛戦で、戦力削られていくばかりで、勝利ってありえるのかな。お気楽上昇志向インクルージョン。インクルージョンと、個人の人格は別なんだよね。フォスの首……。
読了日:11月22日 著者:市川 春子

一変世界 1 (BUNCH COMICS)一変世界 1 (BUNCH COMICS)感想
後輩から1-2巻を借りた。裏表紙のあらすじすら見ずに読み始めたので、最初に登場したエズリンが主人公だと思ってたよ(笑)。森の中のガーデラン神殿で、大巫女見習いプーリョは修行している。近くの集落に住むエズリンは幼馴染。人間と信仰と魔が共存する、ちょっと不思議なほのぼの話。かと思ったら、神殿内の人間関係には、外部の政治的思惑も絡んでくるみたいで。大巫女直属の付き人。自分の息のかかった者を大巫女見習い付き人にしたいズレ神官長。付き人になったミンミとアガサ。百年前の14代目大巫女はなぜ逃げたのか。神殿内割と怖い。
読了日:11月23日 著者:明治 カナ子

一変世界 2 (BUNCH COMICS)一変世界 2 (BUNCH COMICS)感想
後輩から1-2巻を借りた。プーリョの中にいるブレダン。神に歌を捧げる奉唱会に集まってくる人々。王族クラーク家のエナキン。神殿や森に害意を持つ者の手先。マルコスの眷属。1巻で「神と魔は同じ」と言っていたが、ちょっと気を抜くと神域でもあっさり人が死ぬなぁ……。五賢人への要望が「来客の命を奪わないでください」って。神、根本的に人間とは違う論理で動いているのだろう。アガサに囁きかける死んだ妹モドキ、死んだ筈のズレ神官長。14代目大巫女の日記の欠落。太陽神殿、ケヒヌマ人。真の大巫女になるため、プーリョは外へ旅立つ。
読了日:11月23日 著者:明治 カナ子

宝石の国(7)特装版 (プレミアムKC アフタヌーン)宝石の国(7)特装版 (プレミアムKC アフタヌーン)感想
後輩から1-7巻を借りた。全編未読時、この巻の表紙絵だけ知っていたので、「こういうことだったのか!」って感じ。月人に首を奪われたフォスに、ラピスの首をつけるが。元のフォスの比率は半分以下。百年起きないフォスに語りかけるカンゴームが切ない。……起きたら、ラピスの顔なのにしっかりフォスに見える作者の表現力凄いわ(笑)。ラピスの影響で知力は増加。百年前、海の王に聞いた伝承がここで効いてくるとは感涙物。先生をまだ愛してる。「にんげん」を思い出し、真実を知るため月へ行くと決意。付録イラストレーションブック、超綺麗。
読了日:11月24日 著者:市川 春子

続水惑星年代記続水惑星年代記感想
職場で借りた。『I MY WINDOW』オオカミ犬を連れた少女の本。を読む芹菜。進路に悩む高3。『ナスカ』風車で緑化すると地上絵が痛む。守り人ナスカとノボル。『AROUND THE WORLD IN 8 DAYS』飛行船。フィオナ・ブラックと文男・エイブラハムズ。内燃機関が規制された時代なのか。一瞬、茉利さん出てた。『宇宙を向いて歩こう』八分儀・子獅子の天文部合宿。八分儀にアタックする後輩。『廃線跡のひみつ』水没した故郷。惑星の歴史の全体像が、少しずづ埋まっていく感じ。近未来だが、人々は自身の未来を選ぶ。
読了日:11月26日 著者:大石 まさる

環・水惑星年代記 (ヤングキングコミックス)環・水惑星年代記 (ヤングキングコミックス)感想
職場で借りた。『路面電車』『CROQUI'S』双子の未来と蒔絵。軌道エレベータの中間ステーション。『オールトの雲をこえて』海に沈んだ国の電波天文台でSETI。地球外生命探査。『ムーン・シード』エレベータ稼働前、幼時のフィオナと両親。月面ドームの事故。おじい様苦労人(笑)。『宇宙を向いて歩こう』航空宇宙校を目指す八分儀。支える子獅子と、後輩の入鹿。MVPは犬のアルファだと思う。『妖精彼れ時』水没した故郷を見る幸子(未来らと同級生)と、絵を描く老人。気象変動。次世代に沈みゆく世界を残してしまった後悔と、希望。
読了日:11月26日 著者:大石 まさる

女生徒 (角川文庫)女生徒 (角川文庫)感想
北村薫『太宰治の辞書』からの流れで、『女生徒』『待つ』両方入っていたので購入。14篇全て女性一人称の作品。実際の女学生の日記を元に書かれた表題作と、駅前で待ち続ける掌篇『待つ』がやはり良い。自己評価の低い主人公が多い気がするが、『きりぎりす』の、画家である夫に離婚を告げる妻はきっぱりしていて好き。『十二月八日』風呂で赤ちゃんが可愛い描写がすごくわかる。この妻も強い(夫が頼りない)。『雪の夜の話』目の底に残る綺麗な雪景色。『おさん』小説家の夫が、妻に「君の事ばかり思っているんだ」と言いながら、女と情死……。
読了日:11月26日 著者:太宰 治


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【2017/12/03 00:52 】 | 本関係 | コメント(0)
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