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2019年12月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1310
ナイス数:428
インスマスの影 :クトゥルー神話傑作選 (新潮文庫)インスマスの影 :クトゥルー神話傑作選 (新潮文庫)感想
『異次元の色彩』『ダンウィッチの怪』『クトゥルーの呼び声』『ニャルラトホテプ』『闇にささやくもの』『暗闇の出没者』表題作の七編。基礎知識を得たくて読んだが、読了後に「窓に!」がないと気づく。世間のクトゥルフ物の、知ってる者同士で仄めかし合うような描写は、原典に忠実なのだと理解した。読んでも怖くないが、この環境に置かれた当事者が精神削られるのは解る。表題作が主人公の回想なので、インスマスで何を見たにせよ本人無事なのは判ってるよなぁ、と思いつつ読んでいたが、恐怖ポイントはそこじゃないんだな。ラスト意外な展開。
読了日:12月12日 著者:H・P・ラヴクラフト

帝都つくもがたり 続 (角川文庫)帝都つくもがたり 続 (角川文庫)感想
書き下ろし続巻。Web掲載分既読の身としては、全く新しい話が読めて嬉しい。姪の翠ちゃんが、随所でいい感じに顔を出す。話す前に自分が怖がってるから叔父さんが喋る怖い話は怖くない、に笑う。壱話の甘味屋、生きた人間の悪意の塊のような話と、弐話の音楽馬鹿の怖くない幽霊が続くのが好き。そして参話の菱田君は相変わらず。古書店主が妙に気の毒になってくる(笑)。肆話は着物の話。伍話の坂の話。大久保は何の裏も表もないけれど、関はあまり自分をさらけ出さないタイプだから、掘り下げ甲斐があるよね。翠ちゃんも出る更なる続巻を乞う。
読了日:12月26日 著者:佐々木匙

毒殺魔の教室 (上) (宝島社文庫 C と 1-1)毒殺魔の教室 (上) (宝島社文庫 C と 1-1)感想
教室での小6男児毒殺事件。二日後に同じクラスの男子が同じ毒で自殺し、動機ははっきりしない。30年後、ある人物の依頼で、当時のクラスメイトたちに聞き取り調査が行われる。同じ事件なのに、事件が起きるまでのクラスの状況について、人によって全然見方が違う。病院の息子で顔も頭もよく運動も得意、できないことなどない恵まれた被害者の少年。その取り巻きの女子が、小5や小6の時点で既に「女!」って感じで凄いわ……。しかしこれ、上下2巻だけど薄いし、1冊にしようと思えばできるよね。でもこの表紙の合わせ絵は2冊ないと無理かな。
読了日:12月27日 著者:塔山 郁

毒殺魔の教室 (下) (宝島社文庫 C と 1-2)毒殺魔の教室 (下) (宝島社文庫 C と 1-2)感想
30年前の事件の調査を引き継いだ人物が、辿り着く真相。小6の教室で起きた事件だが、動機や遠因は小5で加害者が転校してきた時、いや被害者の生い立ちにまで遡る。この事件防ごうと思ったら、家庭環境か……。女子二人がさんざん言い争って最後「なかなかやるな」「お前もな」みたいになってる気がするが、30年苦しもうが何だろうが、昔性格悪かったって事実は変わらないよな。一番欲しい物は手に入らなかったかもしれないが、彼女は他全部手に入れたし何も失ってない。第7回このミス大賞優秀賞。解説で挙げられている『ユージニア』は既読。
読了日:12月27日 著者:塔山 郁


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