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2024年4月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:2205
ナイス数:421


強い力と弱い力 ヒッグス粒子が宇宙にかけた魔法を解く (幻冬舎新書)強い力と弱い力 ヒッグス粒子が宇宙にかけた魔法を解く (幻冬舎新書)感想
職場本棚。2013年刊。陽子中性子を構成するクォークの質量を全部足しても、陽子中性子の質量の1%。99%はクォークを閉じ込める強い力のエネルギー(E=mc2)なのが目から鱗。基底状態に電子2つ入るのは、時計回りと反時計回りがあるから。弱い力は時計回りの粒子だけに働く。超伝導体の中では光が重くなる(対称性が自発的に破れた相)。ヒッグス場は対称性を破る。宇宙開闢時は弱い力のWボゾンは質量ないが、現在は質量あり。素粒子の質量はヒッグス場×ヒッグス荷。ヒッグス粒子は対称性の破れに関係ないが、ヒッグスの理論の証明。
読了日:04月01日 著者:大栗 博司

素粒子論はなぜわかりにくいのか (知の扉)素粒子論はなぜわかりにくいのか (知の扉)感想
職場本棚。2014年刊。素粒子は粒子ではない、と断言し、場の理論で全部説明してくれる本。場は空間と一体化し、移動しない。場が振動し、粒子のように振る舞う。電子場、クォーク場、全ては場。電子とニュートリノは、同じ場で振動の向きが違う状態(垂直・水平偏光のように)。例え話で出てきた波動光学でのフェルマーの原理、最小時間になるように光が最初から発射するわけじゃないのが目から鱗。打ち消し合ってその経路が残るのか! 摂動論、有効理論、繰り込みがどこで役に立つのか、ファインマン図での説明も有難い。いやー、面白かった!
読了日:04月06日 著者:吉田 伸夫

量子コンピュータ―超並列計算のからくり (ブルーバックス)量子コンピュータ―超並列計算のからくり (ブルーバックス)感想
職場本棚。2005年刊。量子力学とか偏光は大丈夫だが、コンピュータのアルゴリズムや暗号の説明を読み進めるのが大変だった……最大公約数を求めるユークリッドの互除法、面白いけど何故そうなる(汗)。古典ビットは0,1どちらかを変換するけど、量子ビットは「多くの状態が重ね合わさった状態」のまま変換できるから超並列処理が可能、と解釈した。量子ビット、現実にはどんな部品で実現可能なのか。光子の検出器とかNMRで核スピンの検出とか、家庭用PCに入るようなサイズにはならないだろうなぁ。全く何も知らなかったので面白かった。
読了日:04月14日 著者:竹内 繁樹

夏目漱石ファンタジア (ファンタジア文庫)夏目漱石ファンタジア (ファンタジア文庫)感想
書店で表紙を見て存在は知っていた。カクヨム公開分を読んで面白かった(「月が綺麗ですね」の練習)ので購入。武装組織のリーダー・夏目漱石が暗殺されたが、冷凍保存されていた樋口一葉の肉体に脳移殖されて復活。執刀医は野口英世。見た目は若き美女、頭脳は中年男性として女学校の教師になる。よくこんな設定思いついたな(笑)。藤田って明治が舞台の漫画等では有名だが、そうか同時代人が誰でも正体知ってるわけじゃないかー。続編がありそうな引きだが、私は多分続き出ても買わないけど、単巻としては大満足。漱石の未読作品読みたくなった。
読了日:04月20日 著者:零余子

量子コンピュータとは何か (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ) (ハヤカワ文庫 NF 361 〈数理を愉しむ〉シリーズ)量子コンピュータとは何か (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ) (ハヤカワ文庫 NF 361 〈数理を愉しむ〉シリーズ)感想
職場本棚。原著2003年、邦訳単行本04年、文庫09年刊。ブルーバックス『量子コンピュータ』(05年)と同時期の研究と進展を別視点から描写、併せて読むといい感じかも。ショアのアルゴリズムのフーリエ変換とか、著者によって説明方法が違うので。本書の著者は科学記者。どちらか1冊読むなら、情報量が多いこっちを推す(字小さいけど)。タンパク質折り畳み問題は本書で初めて知った。結びで引用されてるクラーク『九〇億の神の御名』未読だけど面白そうで読まなきゃ。ブルーバックス著者の竹内教授が解説で、03~09年の状況を概説。
読了日:04月26日 著者:ジョージ・ジョンソン,George Johnson

量子コンピューターが本当にすごい Google、NASAで実用が始まった“夢の計算機" (PHP新書)量子コンピューターが本当にすごい Google、NASAで実用が始まった“夢の計算機" (PHP新書)感想
職場本棚。2015年刊。文体が合わなくて読むの苦労したが、内容は良い。「計算するとはどういうことか」とコンピュータ、量子、暗号で7割。残り3割で、まず量子ゲートを用いた量子チューリングマシン(汎用コンピュータ)を説明、最後にD-WAVE。2011年に発表されたD-WAVEは汎用ではなく、量子アニーリング(焼きなまし)法による、最適化計算に特化した専用計算機。量子は超伝導状態の磁束なので、極低温が必要。でも一番面白かったのは、バベッジの階差機関の説明(笑)。『ディファレンス・エンジン』再読したくなったなぁ!
読了日:04月29日 著者:竹内 薫

三体2 黒暗森林 上 (ハヤカワ文庫SF)三体2 黒暗森林 上 (ハヤカワ文庫SF)感想
三体艦隊の地球到着まで400年。三体世界が送り込んだ智子は、人類の全活動を監視するが、個人の思考だけは覗けない。選ばれた四人の面壁者は、敵味方全てを欺き真の意図を隠しながら、三体艦隊を倒す方策を考える。GW前半のお楽しみ、一日で読了。大史が登場すると安心するよね。三体側に与するETOが選んだ破壁人、一人一殺で面壁者を物理的排除しにくるのかと思ったが、謎解きなんだな。敢えて下巻は同時購入しなかったので、数日間、羅輯が送信した呪文の意味を考えながらGW後半を待つ。感想記入時点で下巻読了済、基本路線は合ってた。
読了日:04月29日 著者:劉 慈欣


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【2024/05/05 16:37 】 | 本関係 | コメント(0)
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