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【小話】リカ

 水族館に行った。北太平洋に生息する、嘴が赤い海鳥の展示スペースを見ていると、中にいた一羽と偶然目が合う。
「こんにちは、わたしエトピリカちゃん」
 リカちゃん電話みたいな自己紹介しないで。
 別の一羽が言った。
「わたし、ゆめぴりかちゃん」
 それは北海道産の米の品種だ。

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【2022/11/28 06:55 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】三択

 サンタクロースがトナカイに提案しました。
「今年は、黄金(ゴールド)か白銀(シルバー)か青銅聖衣(ブロンズクロス)を着て配達しようと思う」
「その体型で聖闘士になれるわけないでしょう」
「『サンタ聖衣ですか』って突っ込んでくれないの」
「わかっていても言いません」

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【2022/11/27 10:43 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】三頭

 頭が三つある地獄の番犬ケルベロスが、冥王ハデスから「ケルとベロとス」と呼ばれることに飽き、陰で愚痴をこぼします。
「もう、クリスマスもクリとスマとスになればいいんだ」
「『自分以外も被害者になれ』的な発想はやめないか?」
「そもそも、クリスマスに頭は三つないぞ」

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【2022/11/26 21:26 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】静音

 京の都で人気の白拍子を気に入った源義経が、贈り物をしようと考えて、弁慶に相談しました。
「静音性能の高い洗濯機や、衣類乾燥機を考えているのだが、どうだろう」
「『静御前』シリーズは、今はもう作ってないんじゃないか?」
「え」
 同メーカーの別機種を選んで贈りました。

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【2022/11/25 06:14 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】祇王

 京の都で人気の白拍子・祇王(ぎおう)を気に入った平清盛が、贈り物をしようと考えて訊ねました。
「『ラ王』と『スパ王』、どちらが好みだ?」
 祇王が答えます。
「恐れながら、『カップヌードルSiO』をお願いいたします」
 二人で一緒にお湯を注ぎ、美味しくいただきました。

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【2022/11/24 08:16 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】善哉

 北条政子が、幼い孫・善哉(ぜんざい。後の公暁)と食事をすることになりました。皿に、生ハムやチーズを巻いた料理が盛り付けられています。
「これはオードブルですよ」
 前菜です。
「デザートは何にしますか」
「白玉に、小豆餡がかかっているのが食べたいです」
 ぜんざいです。

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【2022/11/23 18:44 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】比企

 鎌倉初期、北条氏と権力を争った比企能員(ひきよしかず)は、二代将軍・源頼家の乳母夫です。息子の三郎と時員(ときかず)は、頼家とともに蹴鞠に励んだ側近。
 能員の娘の若狭局が、頼家の長男・一幡を産んだ際には、比企一族総出で
「でかした!」
とカズダンスを踊りました。

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【2022/11/22 06:29 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】平伏2

 先の副将軍の従者が言いました。
「一同、御老公の御前である。頭が高い! 控えおろう!」
「ははーっ!」
 慌てて平伏する、悪代官一味。何故か居合わせたろくろ首も、場の空気を読んで、長ーく伸びた首をうにょっと曲げて額を地面にこすりつけ、
「ははーっ!」
と平伏しました。

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【2022/11/21 06:54 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】九郎13

 兄・源頼朝と対立して、追われる立場になってしまった九郎義経。受け入れてくれた奥州平泉の長・藤原秀衡が、交易で入手した異国の紙幣・貨幣を見せます。
「九郎殿。ノルウェーとスウェーデンの通貨は何か分かるかの」
「分かりません」
 即答しました。クローネとクローナです。

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【2022/11/20 07:33 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】九郎12

 兄・源頼朝と対立して、追われる立場になってしまった九郎義経。受け入れてくれた奥州平泉の長・藤原秀衡に誘われ、伽羅御所のホームシアターで映画『グラディエーター』を観賞します。
「九郎殿。主演が誰か分かるかの」
「分かりません」
 即答しました。ラッセル・クロウです。

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【2022/11/19 19:12 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】真実

 メガネの少年探偵が言いました。
「真実はいつも一つ!」
 密閉された箱の中に、二分の一の確率で放射性物質が原子崩壊すると毒ガスが発生する装置と猫が入っていますが、猫は生きているか死んでいるかどちらかです。
 少年が暗号を解いて箱の蓋を開け、猫は無事に救出されました。

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【2022/11/18 06:44 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】妖狐

 妖狐・玉藻前がパソコンで動画を見ようとして、再生できず文句を言いました。
「んもう、朝ドラの見逃し配信を見たいのに、どうしてN○Kプラスは非対応なのよ。狐はお呼びじゃないわけ!?」
 使用中のブラウザはファイアフォックスです。最近、推奨環境外のサイトが多いです。

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【2022/11/17 06:32 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】太助

 魚屋の一心太助が、大久保彦左衛門邸に顔を出しました。彦左衛門はパソコンの前に座り、インターネットの個人ホームページ作成に四苦八苦しています。太助が訊ねました。
「殿、ブラウザは何ですかい」
「ネスケじゃ」
「ああ、ガタガタになりますよね」
 ネットスケープの略です。

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【2022/11/16 06:36 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】平伏

 先の副将軍の従者が言いました。
「一同、御老公の御前である。頭が高い! 控えおろう!」
「ははーっ!」
 慌てて平伏する、悪代官一味。何故か居合わせたデュラハン(首なし騎士)も、場の空気を読んで、小脇に抱えていた自分の首を地面に置き、
「ははーっ!」
と平伏しました。

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【2022/11/15 06:35 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】夕飯

 ロバと犬と猫と鶏が出会い、ブレーメンへ行って、音楽隊になろうと考えました。
 ブレーメンへ着く前に夜になったため、森の中の家で休憩しようとし、家にいた盗賊たちを脅かして追い出します。
 そして、盗賊が食べずに残していった夕飯、冷麺をみんなで美味しくいただきました。

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【2022/11/14 06:35 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】風車
「あれを見よ、サンチョ」
 騎士ドン・キホーテが諸国を巡る旅の途中、遠方に何かを見つけ、従者のサンチョ・パンサに言いました。
「あそこに巨人の群れがおるぞ。しかし彼奴ら、卑怯なことに、海の中に立っておる。この馬では突撃ができぬ」
「あれは洋上風力発電ですぜ、旦那」

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【2022/11/13 08:23 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】ロバ3

 市場へロバを売りに行く親子。ロバを引いて歩いていると、通りすがりの犬と猫と鶏が言いました。
「ロバの背中に親が乗って、その上に子が乗って、窓の中に向かって鳴かなきゃダメだよ」
「そんな組体操みたいな曲芸は無理」
 ブレーメンに行って音楽隊になるわけではありません。

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【2022/11/12 08:41 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】ロバ2

 市場へロバを売りに行く親子。ロバを引いて歩いていると、
「ロバを空荷で歩かせるのは無駄だ」
「親を歩かせるのは不敬」
「子を歩かせるのは可哀想」
「商品のロバを疲れさせるな」
 通りすがりのグループが同時に違うことを言い、討論を始めたので、親子はそのまま通過しました。

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【2022/11/11 06:29 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】宗介

 人間世界で過ごして海に戻った魚の女の子が、お父さんに言いました。
「ポニョ、そうすけ、すき!」
「そうか」
 お父さんが地上からブルーレイを取り寄せて、お父さんとポニョと姉妹たちみんなで、アニメ『フルメタル・パニック!』の観賞会を開きました。主人公は相良宗介です。

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【2022/11/10 08:07 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】九郎11

 兄・源頼朝と対立して、追われる立場になってしまった九郎義経は、最終的に平泉に落ち着きました。幼い娘が、見た目は子供・頭脳は大人な探偵アニメのED曲を口ずさみます。
「なーつーのーまぼっろっしー、ひっとーみとっじってー」
 それはガーネット・クロウ『夏の幻』です。

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【2022/11/09 08:05 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】投球

 ペタンクはフランス発祥の球技で、名称は「ピエ・タンケ(両足を揃えて)」に由来します。2チームが、輪の中から木製の目標球に向かって金属球を投げ、目標球からの距離の近さでチームの得点が決まります。
「誰だ、カップ焼きそばの容器を投げたのは!」
 それはペヤングです。

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【2022/11/08 06:40 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】ロバ

 市場へロバを売りに行く親子。会う人に口出しされるたび、子がロバに乗ったり、親が乗ったり二人とも乗ったりします。
 畠山重忠が言いました。
「ロバを背負えば良い」
「流石にそれは無理」
 重忠は源平合戦・一ノ谷の戦いで、馬を背負って鵯越の崖を降りたという伝説があります。

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【2022/11/07 06:19 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】九郎10

 兄・源頼朝と対立して、追われる立場になってしまった九郎義経。受け入れてくれた奥州平泉の長・藤原秀衡が、歓迎の酒宴を開きました。
「九郎殿。これは、九州の高千穂からはるばる取り寄せた、本格麦焼酎じゃ」
「ほう。瓶に馬が描いてありますね」
 『ひむかのくろうま』です。

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【2022/11/06 11:11 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】義時

 鎌倉時代が舞台の大河ドラマを見ている、西日本の視聴者。主人公・北条義時が、文官の二階堂行政の孫娘と結婚しようとする展開に、思わず言いました。
「よしとき(=やめておけ)!」
 義時の継室・伊賀の方は、ドラマでは登場初回から、非常に分かりやすく裏表のある女性です。

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【2022/11/05 06:59 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】九郎9

 兄・源頼朝と対立して、追われる立場になってしまった九郎義経。受け入れてくれた奥州平泉の長・藤原秀衡が、自慢の庭石の前で言いました。
「九郎殿。この花崗岩に点々と含まれておる、黒い鉱物、何だか分かるかの」
「分かりません」
 即答しました。黒雲母(くろうんも)です。

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【2022/11/04 06:55 】 | 小話 | コメント(0)
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