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【小話】小豆4

 妖怪・小豆洗いが川で小豆を洗っていると、上流から、どんぶらこっこ、どんぶらこっこ、と大きな桃が流れてきました。
 しかし、小豆洗いは手元の小豆に集中していたため気付かず、桃はそのまま下流へ。小豆洗いが桃を拾って桃太郎を育てるカオス展開にならなくて良かったです。

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【2022/04/25 06:22 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】小豆3

 Eテレ「キッチン戦隊クックルン」の今の出演者はタイゾウ・マイカ・クラムですが、たまに過去のクックルンが紹介され、先々代はアズキ・マロン・茶太郎です。
 偶然テレビをつけた小豆洗いが呟きました。
「……洗っていい?」
 料理番組なので、食材なら洗ってもいいと思います。

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【2022/04/24 20:14 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】小豆2

 妖怪・小豆洗いがテレビをつけると、「おかあさんといっしょ」の時間でした。歌のお兄さん、お姉さん、体操のお兄さんに続いて、体操のお姉さんが自己紹介。
「あづきおねえさんです!」
 呟く小豆洗い。
「……洗っていい?」
 杏月お姉さんは小豆ではないので、洗っては駄目です。

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【2022/04/23 11:27 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】小豆

 妖怪・小豆洗いが、小豆が手に入らない場合に備えて、たまには違うものを洗ってみようと考えた。
「大豆洗おか、人取って食おか、ショキショキ」
「ピスタチオ洗おか、人取って食おか、ショキショキ」
「マカデミアナッツ洗おか、人取って食おか、ショキショキ」
 洗いにくかった。

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【2022/04/22 07:41 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】計量

 村に伝わる手毬唄を老女に聞かせて貰う、チューリップハットにヨレヨレ袴の探偵。
「大判小判を秤(はかり)にかけて、地盤・看板・鞄(かばん)も秤にかけて」
「どなたか、村長か村議会議員にでも立候補するんですか」
 俗に、選挙で当選するために必要とされる「三バン」です。

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【2022/04/21 06:40 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】深夜

 真夜中、ブウウン……、という音で目を覚ました。
「ブーン、ブンシャカ、ブブンブーン」
 同じ部屋の中、裸電球の下で、黄色に黒縞のミツバチのような服を着た男が歌いながら踊っていた。どうして上地雄輔がこんなところにいるんだ、おかしいな。深夜に起こされるとかマジ勘弁。

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【2022/04/20 06:19 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】小梅

 実は旧家の跡取りである、と聞かされた青年が、落武者伝説がある村へ戻り、大伯母にあたる双子の老姉妹と引き合わされた。
「こちらが、小竹様と小梅様です」
「……一人多いですが、そちらの、白塗りの化粧に派手な着物で扇子を持った方は、どなたですか」
「コウメ太夫様です」

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【2022/04/19 06:14 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】しづ

 白拍子の静御前は、鎌倉の鶴岡八幡宮で舞いながら、歌を唄いました。
「しっずかな湖畔の森のかげっから」
「しっずかな湖畔の森のかげっから」
「しっずかな湖畔の森のかげっから」
 源頼朝や北条政子、居合わせた人々みなで、「カッコ、カッコ、カッコー」まで輪唱しました。

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【2022/04/18 06:44 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】三葉4

 私は彼の写真を三葉、見たことがある。
 一葉は、庭園で大勢の女性に囲まれた、子供時代のもの。
 二葉目は、学生服を着た美青年。
 最後の一葉は、のっぺりとした印象の、和服の女装姿。これ、頭の上に「5000」という数字が出ていなかったら、樋口一葉だと気付かない気がする。

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【2022/04/17 08:06 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】三葉3

 私は彼の写真を三葉、見たことがある。
 一葉は、庭園で大勢の女性に囲まれた、子供時代のもの。
 二葉目は、学生服を着た美青年。
 最後の一葉は、スーパーや道の駅の産地直送野菜の売り場に、「私が作りました」と貼ってある生産者のような写真。両手に持っているのは、三つ葉だ。

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【2022/04/16 09:25 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】三葉2

 私は彼の写真を三葉、見たことがある。
 一葉は、庭園で大勢の女性に囲まれた、子供時代のもの。
 二葉目は、学生服を着た美青年。
 最後の一葉は、老人が風雨の中で、煉瓦の壁に向かって超リアルなツタの葉の絵を描いている写真。しばらく考えたが、これO・ヘンリーじゃないかな。

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【2022/04/15 06:38 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】三葉

 私は彼の写真を三葉、見たことがある。
 一葉は、庭園で大勢の女性に囲まれた、子供時代のもの。
 二葉目は、学生服を着た美青年。
 最後の一葉は、とても人間の姿とは思えない奇怪な写真で、それもその筈、彼は三葉虫のコスプレをしていたのだ。何故その格好をしようと思ったのか。

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【2022/04/14 06:55 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】勧進

 東大寺再建の勧進(寄付)を募る山伏に変装し、安宅関を通ろうとする源義経一行。関所の役人に「勧進帳を読め」と言われ、弁慶は白紙の巻物を読み上げます。
「クラウドファンディングのお願い」
「クラ……?」
「最新の勧進スタイルだ」
 何とか役人を誤魔化し、通過できました。

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【2022/04/13 06:10 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】毒石2

 平安時代、那須野で討伐された妖狐・玉藻前は、毒を吐く石と化しました。
 人々を困らせる毒石を、南北朝時代の玄翁(げんのう)和尚が、側面に100tと書かれた巨大ハンマーを振り上げて粉々に破壊。
 後世、100tハンマーは玄翁(玄能)と呼ばれるようになってはいません。

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【2022/04/12 06:36 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】毒石

 鳥羽上皇の寵姫・玉藻前は正体が妖狐であると見破られ、那須野で討伐されました。死後、念が凝り固まって石と化します。そして、人々が近くを通ると
「アンタその着物、全っ然似合ってないわね」
「変な髪型」
「バッカみたい」
 手当たり次第に毒を吐くので、みなイラッとします。

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【2022/04/11 07:43 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】計量4

 村に伝わる手毬唄を老女に聞かせて貰う、チューリップハットにヨレヨレ袴の探偵。
「大判小判を秤(はかり)にかけて、どうしてにんじゃりばんばん、愛してにんじゃりばんばん」
「きゃりーぱむぱむですか」
「いや、きゃりーぴゃむぴゃむ」
 きゃりーぱみゅぱみゅ、が言えません。

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【2022/04/10 09:10 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】妖狐

 鳥羽上皇の寵姫・玉藻前は正体が妖狐であると見破られ、那須野で討伐されました。死後、念が凝り固まって石と化します。そして、人々が近くを通ると
「ようこそここーへー、クッククック」
と呼び寄せたりはしません。
「港のヨーコ、ヨーコハマ、ヨコスカー」
 それも歌いません。

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【2022/04/09 08:58 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】斜陽2

 朝、お母さまがスウプを一さじ吸って、「あ」とかすかに叫んだ。お母さまが立ち上がって、東大寺南大門の金剛力士像のポーズをなさる。これは阿形(あぎょう)ね。
 この場合、私もお母さまの隣に並んで立って、口を閉じた吽形(うんぎょう)のポーズをしたほうがいいのかしら。

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【2022/04/08 06:55 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】斜陽

 朝、お母さまがスウプを一さじ吸って、「あ」とかすかに叫んだ。お母さまの口から、小さな「阿」の仏様が出てこられて、まるで、美術のご本で見た、空也上人立像のようだわ。
 続けて「弥」「陀」「仏」の仏様も出てこられたけれど、「南」から始まったほうが良かったのかしら。

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【2022/04/07 07:38 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】坊主

 能『船弁慶』。西へ向かう源義経と弁慶が大物浦から出港すると、海が荒れ、波間から平家の亡霊が現れました。
「柄杓を貸せ」
 それは海坊主です。拒否する弁慶。
「俺のほうが坊主だから、むしろこっちに柄杓を貸せ」
「坊主かどうかで張り合うな!」
 義経に後ろから叩かれました。

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【2022/04/06 07:36 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】立像

 ペロー童話。井戸に水汲みに行った妹は、水を飲みたがる老女(実は魔法使い)を手伝って飲ませてあげます。
「親切にしてくれたお礼に、あなたが喋るたびに、口から南無阿弥陀仏の像が飛び出すようにしてあげましょう」
「……空也上人立像ですか?」
 本当は、花や宝石が出ます。

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【2022/04/05 07:36 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】判官

 平家を破って京に戻った源義経は、朝廷から検非違使の尉=判官(じょう)の役職を貰いました。判官ははんがん、ほうがんとも読みます。家来が訊ねました。
「『イチバァーン!!』ですか」
「それはハルク・ホーガンだ」
「『星を継ぐもの』ですか」
「それはJ・P・ホーガンだ」

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【2022/04/04 06:18 】 | 小話 | コメント(0)
2022年3月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:2282
ナイス数:453


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【2022/04/03 18:02 】 | 本関係 | コメント(0)
【小話】錠前2

 村に伝わる手毬唄を老女に聞かせて貰う、チューリップハットにヨレヨレ袴の探偵。
「錠前狂えば鍵合わぬ、鍵合わぬなら交換だ、機械警備も追加しよう、セコムかアルソックどちらがよいか」
「……悩みが具体的な手鞠唄ですね」
 不在時に侵入者を感知すると警備員がかけつけます。

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【2022/04/03 08:42 】 | 小話 | コメント(0)
【小話】鑑真

 奈良時代。勝手に出家する僧が多く乱れた規律を正すため、唐から招かれた高僧・鑑真(がんじん)が、正式に戒律を授けるための戒壇を築きました。
 その後、鑑真の教えに感銘を受けた熱心な僧たちが集まり、私設応援団会報的な雑誌を作って、発行します。それはファンジンです。

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【2022/04/02 10:23 】 | 小話 | コメント(0)
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