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【感想】殺竜事件
殺竜事件  上遠野浩平『殺竜事件』(講談社ノベルス)。

 そこに住む竜の権威によって独立を守る都市、ロミアザルス。
 しかし、その竜が殺された! 誰に、如何にして、そして何ゆえに?
 謎に立ち向かうは、弁舌と謀略で歴史の流れを押え込む〈戦地調停士〉……エドワース・シーズワークス・マークウィッスル。

 大学4年の時、アイザック・アシモフ『鋼鉄都市』『はだかの太陽』を友人から借りて読んだ直後、〈SF+ミステリ〉が可能なら〈ファンタジー+ミステリ〉もできるんじゃないかと考えをめぐらせてみたものです。
 しかし。瞬間移動なんてモノの使える人間がいたらアリバイトリックなんて何の意味もない。他人の精神に入り込んで操れる術者にいたっては、他人を自殺に見せかけて殺すなんてお手のもの。何でもアリの世界ではミステリなんて無理と、サジを投げたのでした。
 私が甘かった。コレを読んで痛感しました。大事なのは、〈この世界の中では何が可能で、何が不可能であるか〉をきちんと設定することなのですね。
 ただその「やられた!」という感想はあとで分析したものであって、読み終えた直後は話そのものに対して、言葉もありませんでした。
 映画やTVアニメにもなった『ブギーポップは笑わない』のシリーズで有名な上遠野先生ですが、とにかくこの本でも上遠野さん特有の〈ひねくれた上にさらにひねくれて、何をいいたいのかさっぱりわかんないような中に、“何か”があるような気がする文章〉(私の言ってるコトのほうがワケわかんないですね)があります。
 最後に、本の中で私の忘れられない一文を。

〈水面のむこうがわの世界では、もう少し生きやすい方法を人々が見つけてくれているかしら……?〉

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【2000/08/03 19:00 】 | 感想上遠野浩平 | コメント(0)
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