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【感想】松川事件の真犯人
松川事件の真犯人  最近、森達也『下山事件〈シモヤマ・ケース〉』(感想)、柴田哲孝『下山事件最後の証言 完全版』(感想)を再読して、松川事件の知識が要るなぁと思っていたときに本書を見つけて、衝動買い。吉原公一郎『松川事件の真犯人』(祥伝社文庫)。
 ……一読してまず感じたことは、松川事件の知識ゼロの状態で読む本ではない、ということである(汗)。1962年の本の復刊のためか、読者も松川事件と裁判の経緯はある程度知っている、と思って書いているぞ著者。最高裁判決が出た1963年ですら、私は生まれてないんだっ。

 1949年8月に福島県の国鉄東北本線松川‐金谷川駅間で起きた、列車転覆事件。同年の下山事件、三鷹事件と並び三大謀略事件と言われる。
 が本書は、無名な二つの事件で幕を開ける。前年に起きた庭坂事件(福島県)と、同年5月の予讃線事件(愛媛県)。松川との共通点の多いこれらの事件は“予行演習”だと、著者は言う。松山に行ったことも予讃線に乗ったこともあるので、初めて知った予讃線事件は興味深かった。
 松川事件も、死者数は両事件と変わらない。なのに松川だけ有名なのは、労働組合関係者20人が逮捕・起訴されるも、冤罪が立証され、最高裁で無罪が確定したためか(両事件は迷宮入り)。
 松川本なら斎藤茂男『夢追い人よ』が読みたいんだけど、絶版なんだよな……。

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【2008/10/15 00:30 】 | 感想NF | コメント(0)
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