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2018年9月の読書メーター
読んだ本の数:13
読んだページ数:4150
ナイス数:403


なんでも魔女商会 (8) 火曜日はトラブル (おはなしガーデン)なんでも魔女商会 (8) 火曜日はトラブル (おはなしガーデン)感想
小3娘が学校で借りてきた。フェアリー女王の城で代々アイロン係として働くスピネットが、焦がしてしまった女王のドレスを「元通りにしてほしい」と依頼。由緒正しい、不変が至上とされる城では、個人の嗜好や適性など二の次。女王のドレスは一種類だけ、スピネットが笛が得意でも楽隊に入れない。女王が自分のチャームポイントを理解し、自分の好きな服を着てほしい、とリフォームするシルク。チャレンジ大事。こっそり新しいドレスを着て「まあ、まあ!」と喜ぶ女王可愛い。大団円かと思いきや、シルクがお仕立て魔女に喧嘩を売られて次巻へ続く。
読了日:09月02日 著者:あんびる やすこ

なんでも魔女商会 (9) ルビーの魔法マスター (おはなしガーデン)なんでも魔女商会 (9) ルビーの魔法マスター (おはなしガーデン)感想
小3娘が学校で借りてきた。シルクと6人のお仕立て魔女に、それぞれ違う布が渡されて、コンテストの作品作り。審査員はシルクたちが卒業した洋裁学校の校長・教頭。優勝者には「ルビーの魔法マスター」の栄誉が贈られる。デザインに熱中して焦るシルクは、リフォームの仕事も、ナナもコットンもなおざりにしてしまい。それでもナナとシルクは友達。自分を取り戻したシルクが作る「羽衣おり」のドレス。言い訳せず「私を失格にしてください」と言うのはシルクらしいし、先生二人は生徒のことよくわかってる。お客が幸せになるドレスを作るのが仕事。
読了日:09月03日 著者:あんびる やすこ

なんでも魔女商会 (10) 三毛猫一座のミュージカル (おはなしガーデン)なんでも魔女商会 (10) 三毛猫一座のミュージカル (おはなしガーデン)感想
小3娘が学校で借りてきた。シルク曰く、シンデレラは魔女がボロボロの服をリフォームする話らしい(笑)。いつも元気なナナがため息。怪我したシンデレラ役の子の代役に決まったが、陰で「ナナちゃんじゃ代わりになれない」と言われた。森に来た三毛猫一座は、主演女優カレンが抜けてミーナに交替したばかり。シルクは、「カレンのようなヒロイン」ではなく「ミーナらしいヒロイン」になるよう衣装リフォームする。他人になろうとするのでなく、自分自身の魅力を伸ばすのが大事。ミーナの新衣装も、ナナ用にリフォームしたシンデレラ衣装も可愛い。
読了日:09月06日 著者:あんびる やすこ

僕らはどこにも開かない ‐There are no facts,only interpretations.‐ (電撃文庫)僕らはどこにも開かない ‐There are no facts,only interpretations.‐ (電撃文庫)感想
『空ろの箱と零のマリア』が好きで、著者デビュー作(の再構築版)を買ってみた。「あたしが魔法で護ってあげるよ」自称魔法使いの変人美少女・香月美紀と付き合うことになった柊耕太。耕太は、自分のことがどうでもいい。友人の谷原雅人は、「人を殺したい」が口癖の不良。世間に適合して生きることに困難を感じている、“鎖の音が聞こえる”思春期に読んだら絶大な影響を受けそうな作品。超常的なことは、実は一つも起きていないのかもしれない。自分の世界はどうしようもなく閉じていて、誰とも繋がっていない。でも、読後に広がる世界は、青空。
読了日:09月09日 著者:御影 瑛路

前方後円墳の世界 (岩波新書)前方後円墳の世界 (岩波新書)感想
前方後円墳及び古墳時代について全体的に説明してくれる本。でも、なぜ前方後円のあの形なのかは判らない。大和・柳本古墳群、約百年間に作られた数から考えると〈六~七基ほどの前方後円(方)墳が、一時期につくられていた計算〉、六~七人の首長が同じ地域に代々造営したという説明に目から鱗。畿内ってそんなに集中してるのか! 外国でも首長の霊魂って、副葬品使って墓の中で生活してるのかなぁ。巻末の古墳・遺跡索引は圧巻だし、本文も最寄り駅とか古墳公園への行き方の説明多し。自分が住む市内にも古墳があると分かったので行ってみたい。
読了日:09月22日 著者:広瀬 和雄

扼殺のロンド (双葉文庫)扼殺のロンド (双葉文庫)感想
昭和60年、静岡県。二重の密室の中で発見された二つの死体。女の裂かれた腹部からは胃腸が抜き取られ、男は平地なのに高山病で死んでいる。そして、一族の人間が次々密室で扼殺される。“現実には絶対に起きそうにない事件“にどっぷり浸かりたいときに向いてるミステリ。この著者の作品は初めて。探偵役・海老原浩一のシリーズ二作目らしい。人当たりがよく誰からも好かれる性格だそうだが、小沢刑事をからかう態度が私嫌い(苦笑)。でもまぁ、一介の市民が警察から情報手に入れる手段は推理に必要だもんなぁ。最後の怒涛の謎解きは面白かった。
読了日:09月23日 著者:小島 正樹

狐火の家 (角川文庫)狐火の家 (角川文庫)感想
昔、書店で見たとき勝手にホラーと思っていたが、ミステリだったのか。防犯探偵シリーズ二作目の密室づくし短編集。古い日本家屋で、その家の中学生の娘が死体で発見される「狐火の家」。とあるペットの飼い主がマンションで死んだ「黒い牙」。棋士がホテルで刺殺される「盤端の迷宮」。小劇団座長が犬を飼っている自宅で殺された「犬のみぞ知るDog knows」。この中だと『黒い牙』が一番好きかな。生き物苦手な人は読むのも駄目そうな話。防犯コンサルタント榎本は安定感あるが、この弁護士は弁護は有能なんだろうかと心配になる(苦笑)。
読了日:09月24日 著者:貴志 祐介

インシテミル (文春文庫)インシテミル (文春文庫)感想
面白かった! 外界から隔離された施設で被験者として過ごす、超高額時給バイトに集まった12人。示された実験内容は、殺人&犯人当てゲーム。主催者側が事件を用意するのでなく、殺人し易いお膳立てを整え、参加者内の殺人を誘発する。ボーナス額から判断するに、主催者は殺人も期待するが、“解決”を一番見たいのだろう。主人公が実は頭いいのに、自分で凄いと思ってなくて、普通の大学生って感じなのが好感。ミステリ(本書)を選んで手に取る読者なら、人数分の人形に反応するよね。ネタに使われた古典ミステリに未読が多数あるので読みたい。
読了日:09月24日 著者:米澤 穂信

「裏窓」殺人事件―警視庁捜査一課・貴島柊志 (中公文庫)「裏窓」殺人事件―警視庁捜査一課・貴島柊志 (中公文庫)感想
一人暮らしの女性の転落死、警察は自殺か事故で捜査。しかし、向かいのマンションに住む少女は、被害者の部屋に男を目撃していた。この著者初読みだが、「怪奇+本格推理」の貴島刑事シリーズ二作目らしい。完全に私の好みの問題だが、“ミステリには論理的に解ける謎を求める”“警察視点の場合、足で稼いで地道に解決してほしい”ので、不気味な絵にまつわる怪奇要素は要らないな(苦笑)。事件は一応解決したけど、それ以外に謎を残されたくないんだ。オカルトめいた謎を解くミステリや、完全にホラーならば好きだよ。本書は私には合わなかった。
読了日:09月29日 著者:今邑 彩

蝕罪―警視庁失踪課・高城賢吾 (中公文庫)蝕罪―警視庁失踪課・高城賢吾 (中公文庫)感想
酒浸り中年・高城と若手の明神が失踪課第三分室に着任した初日に持ち込まれた、結婚間近の青年が失踪した事件。就職に失敗して苦労する若者たち、ネットカフェ難民、悪徳商法。シリーズ一作目だが、他の巻既読なので登場人物は把握済。建前は行方不明者を捜す専門部署、実態は厄介者の溜まり場。でも室長は機能する部署に変えたくて、そのために呼んだのが高城。過去の事件のせいで今は酒浸りだけれど、給料分は働くし、有能さが滲み出ていて次第に再生していく。警察がきちんと仕事してきちんと解決してくれる安心感を得たいときは最高のシリーズ。
読了日:09月29日 著者:堂場 瞬一

交錯―警視庁追跡捜査係 (ハルキ文庫)交錯―警視庁追跡捜査係 (ハルキ文庫)感想
無差別連続殺人犯を刺して阻止した男は英雄か。未解決事件を扱う係の沖田は、姿を消した男を追って現場や関係者を日参。貴金属店強盗を担当する西川は、毎日定時に帰るが資料読み込みのプロ。互いのやり方を認めない同期の二人の捜査が交錯する。シリーズ一作目。沖田ら、ホットな事件を捜査する花形部署に戻りたい刑事が多い中、西川みたいなタイプは珍しい。何のかの言いつつ、良いコンビになりそうではある。直前に読んだ失踪課の『蝕罪』(09年)でも就職不況で転落した若者が出たと思ったら、これも09年の連載だった。執筆時期近いのかな。
読了日:09月30日 著者:堂場 瞬一

潜伏 (小学館文庫)潜伏 (小学館文庫)感想
長山歩美の叔母が若年性アルツハイマーで死亡。常に美容に気を遣う憧れの叔母だった。教授が診立てた病名に疑問を持つ、主治医の佐野。同じ病気の患者の毒入り飲料殺人事件が発生し、歩美は叔母も狙われていたのではと疑う。この著者の医療ミステリは期待を裏切らない。大学病院の上下関係の柵の中、可能な範囲で調べる佐野。今は失業中だが聡明で、他の被害者が出ないことを第一に行動する歩美。「美人にはろくな女がいない」「大学病院の医者なんて」互いに偏見バリバリの二人の考えの変化。でも最後の台詞は、そりゃ複雑な表情になるよね(笑)。
読了日:09月30日 著者:仙川 環

転迷: 隠蔽捜査4 (新潮文庫)転迷: 隠蔽捜査4 (新潮文庫)感想
シリーズ4作目だが、1-3未読。大森署長・竜崎の近隣管内で起きた殺人事件へ協力を求められ、自署管内では連続放火、轢き逃げ発生。娘の恋人が外国で飛行機事故に遭ったかもしれず、さらには麻薬取締官がいちゃもんつけてくる。でも署長は判子を押し続けないと書類が片付かない。署長が忙しすぎて、コメディでもないのに変な笑いが込み上げてくる。合理性を貫く竜崎は、他人は自分と同じ考えではないと理解していないので周囲から見ると変人なんだけど、ここまで首尾一貫していると気持ちいい。裏表紙のあらすじからは予想外の方面に面白かった。
読了日:09月30日 著者:今野 敏


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【2018/10/08 10:33 】 | 本関係 | コメント(0)
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