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2019年9月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:3008
ナイス数:393


キノの旅XXII the Beautiful World (電撃文庫)キノの旅XXII the Beautiful World (電撃文庫)感想
「川の畔で・b」「知らない話」「誕生日」「仮面の国」「退いた国」「取り替える国」「議論の国」「届ける話」「来年の予定」「餌の国」「川の畔で・a」。師匠と弟子の「取り替える国」。「届ける話」、シズと陸の出会い。あのシリアスな場面で「陸様と呼ぶがいい」「嫌だよ」をブッ混んでくる作者様が大好きだ。フォトが音楽フェスの撮影依頼を受ける「来年の予定」も好き。「川の畔で」は救いがないが、あとがきと祝20周年イラストで全部吹っ飛んだ(笑)。キノとティーは超美人だけど、シズ! でも、そうなれたら幸せではあるよね?(混乱)
読了日:09月01日 著者:時雨沢 恵一

大地(一) (新潮文庫)大地(一) (新潮文庫)感想
約20年ぶりくらいに再読。1巻が特に好き。貧しい農夫の王龍は、地主の黄家の奴隷・阿蘭を娶ってから運が上向く。二人で働き、子に恵まれ、貯金して黄家から土地を買い、遂には大地主。老境を迎え、大地に還る日が近づく。王龍視点だと政治的事件に無関心なので時期を特定しづらいが、恐らく清朝末期。絶対無理だけど、こういうの読むと、こういう小説書きたいなーと思う(ガルシア=マルケス『予告された殺人の記録』も同じことを思う)。その土地に住む人々がどういう生き方をしているかが分かる話。王龍、金持ちになったら妾囲ったけどね……。
読了日:09月02日 著者:パール・バック

大地(二) (新潮文庫)大地(二) (新潮文庫)感想
再読。王龍の死後、息子たちは相続した土地を売り始める。長男・王大は代金で贅沢するだけの怠惰な地主。商人の次男・王二は資金をもとに豪商に。軍閥への道を突き進む三男・王虎も、現金が幾らでも必要。父のように、土地や土そのものに愛着を感じないのは全員一緒だが、三兄弟の中では、家庭内円満で子供も朗らかに育ってる次男が好き。梨花と長女は土の家で暮らす。長男夫人の実家に嫁いだ次女は言及すらされないな……。少数が多数を相手にする際の定番なのかもしれないが、王虎の軍、和議を申し込んだ席で騙し討ちにする作戦が多いなーと思う。
読了日:09月04日 著者:パール・バック

誘爆 - 刑事の挑戦・一之瀬拓真 (中公文庫)誘爆 - 刑事の挑戦・一之瀬拓真 (中公文庫)感想
シリーズ3作目だが私は初。所轄署刑事3年目の一之瀬、次の異動で捜査一課行きの噂。オフィス街で爆破事件、企業脅迫か。しかし途中で殺人事件が起き、一之瀬は殺人の捜査へ。昇進前、手柄も欲しいが失点は怖い。冒頭数頁で、一之瀬の性格に危なっかしさを感じるというか、「きっと何かやらかすに違いない」と思ってしまい、読んでいて心臓に悪い。若者を心配しつつ成長を追い掛けられる読者なら良いだろうが、私は警察物で事件以外にハラハラしたくない……。ゲスト出演・失踪課の高城室長が、明神の前であんな冗談を言うとは! と驚いた(笑)。
読了日:09月12日 著者:堂場 瞬一

大地(三) (新潮文庫)大地(三) (新潮文庫)感想
再読。王龍の息子・王虎の話から、王虎の一人息子・王淵の話へ。息子を溺愛してはいるが威圧的な王虎。ずっと抑圧されてきた淵が青年になり、父が老人だと気付くのがリアル。しかし長年の心理的習慣で、大々的に逆らうのは難しい。親の意志が絶対で職業も結婚も子は従うだけだった時代から、子が意志を主張し始める時代の狭間。淵は「祖父の土の家」に住むが、理想化していた農民は彼を受け入れない。海岸の都会で学校に通う。従弟の猛に革命に誘われるが、農民への理想は既に壊れたから、「民衆の救済」では共感できない。革命党員の女が面倒臭い。
読了日:09月14日 著者:パール・バック

大地(四) (新潮文庫)大地(四) (新潮文庫)感想
全て旧表紙で再読したが、新表紙綺麗だなぁ。米国留学から帰国した王淵は、医学生になった美齢と再会。淵、新時代の人間のようで、都合いい時だけ「女は結婚を望むべき」とか旧慣習を持ち上げ、内心そこそこ得手勝手。猛、民衆救済を目指した革命家が民衆に失望すると、将来ロクなことにならないよなぁ。王二一家と王虎が匪賊・革命党・農民に襲われ、随分前に土地を捨てて都会に逃げた王大一家が、結果的に一番損してない気がする。土の家で淵と美齢が心を通じ合わせ、希望ある感じのラスト(王虎、死の床だけど)。やっぱり1巻が一番面白かった。
読了日:09月14日 著者:パール・バック

人工知能―実用化の時代へ (新潮文庫)人工知能―実用化の時代へ (新潮文庫)感想
職場本棚。1986年刊なので情報が相当古いだろうが、知識ゼロの身からすれば何でも新鮮。職場で時々飛び交う「ファーム」って言葉の意味が判った(苦笑)。世界最初のコンピュータ、エニアックも初耳。日本DECという会社も知らないけど、国鉄が共同で新幹線の運転整理AIを開発する件が超面白い。「到着条件・到着ホームに列車がいないこと」とか人間には常識だが、全ての常識を明確化して条件を与えないとシミュレーションの中で新幹線が止まりまくる。判断するのはAIだけど判断の基礎ルールを与えるのは人間で、上手に与えるのは難しい。
読了日:09月19日 著者:長尾 真

DVD付き 鬼灯の冷徹(29)限定版 (講談社キャラクターズライツ)DVD付き 鬼灯の冷徹(29)限定版 (講談社キャラクターズライツ)感想
貉回、化けるの下手な2匹可愛い。鬼灯様のレアなリアクション。マネ回、山姥のアイデンティティ(苦笑)。接待回、懐柔三連星高級クラブコンビネーション。凶霊回①扉絵可愛い! スカーレットの過去。凶霊爆誕の一枚絵が凄ぇホラー……。でも「仲間!」って喜ぶの可愛い。補佐官集合扉絵カッコいい。御柱様は口調優しいけどえげつない。ギャルゲ回扉絵超可愛い! 和歌を送る難易度高いゲームは攻略してみたい。でも巻末のキャラ集合絵(女子)のゲームが一番やりたい。地獄の擬人化(笑)。人参回、信楽太夫と辛子ちゃんが仲良くなってて何より。
読了日:09月23日 著者:江口 夏実

メソポタミヤの殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1-5))メソポタミヤの殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1-5))感想
考古学者レイドナーの夫人の世話に雇われた看護婦レザラン。ピリピリした遺跡調査隊内で起きた殺人事件を、ポアロが捜査する。壊れた壷の破片を保存してどうするんだというレザランの台詞、考古学に興味ない人の描写が的確。昔、一緒に博物館に行った親に、石や瀬戸かけ見て何が面白いんだと言われたわ(苦笑)。トリックや動機を推理できたわけではないので当てずっぽうだが、(こいつ何か怪しい)と思ったのは当たってた。解説で、クリスティの夫が考古学者と初めて知るが、最近読んだモンゴルの本に出てきた東大の江上波夫教授の名が出て驚いた。
読了日:09月30日 著者:アガサ・クリスティー


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【2019/10/05 11:11 】 | 本関係 | コメント(0)
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