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プルート夫人:α線。
 萩尾望都『なのはな』(小学館)の収録作、『プルート夫人』に関して。
 不勉強につき、調べてからでないときちんとした感想は書けそうにないので、とりあえず疑問点をメモしておく。

P.44
プルート夫人
〈放射性物質なんて…そこらへんにゴロゴロあるわ。
 ラドン温泉とか体にいいっていうじゃない。放射線や放射性物質は決して危険なものじゃないわ。おフロなんか好きでしょう?〉


人間
〈きみはフロではない。きみは生物にとって有害な放射線アルファ線を出している!〉

 ……ラドンも、α線出しているよね?

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医療の中の放射線基礎知識 : 放射線部 : 北里大学病院
■ラジウム温泉やラドン温泉
 ラジウム温泉などは、健康によいと療養や気分転換のために温泉場を訪れる人がたくさんいます。
 ラジウムはα線を出して気体のラドンに変わり、さらにラドンはα線を出して別の元素に変わります。

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 プルート夫人(プルトニウム)が「フロではない」のは正しいし、プルトニウムがα線を出す、というのも事実。
 ただ、この会話の流れだと、人間が「ラドンはα線を出していない」or「ラドンが出すα線とプルトニウムが出すα線は違う」と主張しているみたいに、読めてしまわないか。α線そのものは、ラドンから出ようとプルトニウムから出ようと変わりないんだけれど。

 但し、この漫画はプルート夫人を裁く審判、という形式なので。
 “事実としては間違ったことは一つも言っていないが、話の流れで、裁判官や傍聴人に対する被告人の心証を悪くする”という法廷戦術はアリだと思うし、従って、この漫画の内容としてはアリだと思う。

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【2012/04/12 01:20 】 | 日記 | コメント(0)
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