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2020年11月の読書メーター
読んだ本の数:13
読んだページ数:4746
ナイス数:550


少女地獄 (角川文庫)少女地獄 (角川文庫)感想
同シリーズの『瓶詰の地獄』を所有、どうせ読むならこの装丁がいい、と書店で探し、買ったら満足して放置してたわ(苦笑)。表題作は3つの異なる話、何か絡むかと思ったら全く無関係。「何んでも無い」天才的な虚言癖の姫草ユリ子、その能力を他人を陥れるほうに使ったら凄いホラーだが。他人に好印象を与えて愛される目的だけなので、哀れな印象になるんだろう。迷惑だけど。「殺人リレー」バス女車掌。「火星の女」ミス黒焦事件。『童貞』死にかけの男とラシャメン。『けむりを吐かぬ煙突』伯爵未亡人の館の謎。『女坑主』炭坑王未亡人の元女優。
読了日:11月01日 著者:夢野 久作

浅草偏奇館の殺人 (文春文庫)浅草偏奇館の殺人 (文春文庫)感想
職場本棚。昭和7年、浅草六区の劇場・偏奇館の三人の踊り子が殺される。劇場の脚本家“私”は、真相を追うが。ミステリだと思うと面白くないが、著者(昭和5年生)も経験していない“昭和7、8年の浅草”を、ここまで強烈に懐かしく感じさせる文章が凄い。(ストーリーに関係ないが)同時代の浅草に集う顔触れ。エノケン、古川ロッパ、菊田一夫、サトウ・ハチロー、川端康成、田谷力三、淡谷のり子。満州国が建国され、五・一五事件が起き、特高はアナーキストを弾圧し、浅草にはエロ・グロ・ナンセンスの徒花が咲く。猥雑で、もう戻らない青春。
読了日:11月02日 著者:西村 京太郎

漫画版 世界の歴史 1 ペルシア帝国とローマ帝国 (集英社文庫)漫画版 世界の歴史 1 ペルシア帝国とローマ帝国 (集英社文庫)感想
漫画:茶留たかふみ/井上大助。単行本2冊の1冊化。実家に同社の漫画世界の歴史全16巻あったけど、全面的に内容新しいね。クロマニョン人から始まり驚いたが、確かに世界史だ。メソポタミア(ハンムラビ)、エジプト(ラメセス二世)、ペルシア(ダレイオス一世)、ギリシャ、アレクサンドロス、ローマ(カエサル、ネロとキリスト教)。時空を超えていつでもどこでも解説する梟がバンバン場面転換。シュメールとギリシャのポリスは架空の一家で人々の生活を描くがすぐ滅ぶ(苦笑)。昔の1巻のピラミッド建設大好きなので、クフ王いないの残念。
読了日:11月03日 著者:

漫画版 日本の歴史 8 天下統一の戦い 安土桃山時代 (角川文庫)漫画版 日本の歴史 8 天下統一の戦い 安土桃山時代 (角川文庫)感想
表紙:江端里沙、漫画:ひらぶき雅浩。1543鉄砲伝来から、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康ときて、1600関ケ原の戦い、1603江戸開府まで。美濃と尾張が和睦中の頃が描かれない(濃姫が登場しない)から、美濃落とされるの早いな! 明智光秀が足利義昭に「同族の者が信長様のもとにとついでいる」とは言うんだけど。戦国時代って漫画として絵になるシーン多いよね、長篠の鉄砲とか本能寺の変とか凄い。解説・和田竜氏の“このとき信長はどこに住んでいるのか問題”が地味に面白い。安土には引っ越し済だが、まだ城は完成していない数年間。
読了日:11月07日 著者:

毒煙都市 (1979年) (角川文庫)毒煙都市 (1979年) (角川文庫)感想
再読。昭和12年、企業城下町M市で染料工場が爆発、黄色い煙が立ち昇る。直後から周辺住民、特に子供が奇病に襲われ死者多数の地獄絵図。県や中央は最初から赤痢と決めつけて調査し、水道に原因を押し付ける。市水道局は、水道の構造的に有り得ない、と反駁するも。……軍需工場の毒ガスが原因じゃ、時代的に真相が明らかになる筈もなく。わざと赤痢患者を発生させてまで、“赤痢ということ”にするのが怖い。さっき知ったが、同年の「大牟田爆発赤痢事件」がモデルらしい。Wikipedia見てビックリ、本書みたいな事件が実際にあったのか!
読了日:11月07日 著者:清水 一行

権力の朝 (1980年) (角川文庫)権力の朝 (1980年) (角川文庫)感想
1978年の作品、舞台は90年代。保守政権が衆院選大敗。最高裁長官殺害、現政権寄り新長官任命、労働党員が罪を着せられ法廷へ。国会開催前日に総理と副総理が誘拐され行方不明。新総理が首班指名されても、内閣総辞職できないから、と現内閣が居座り、同時に二つの内閣が存在する。……という状況設定が、昔は面白いと思ったが、再読すると。“総理・副総理が数年?潜伏し続けて次の選挙で勝利”しない限り、いずれは政権移譲せざるを得ないわけで、実効的に意味なくてクーデター参加者が馬鹿に見える。新長官のほうが新政権へのダメージ有効。
読了日:11月07日 著者:和久 峻三

地獄への階段 (光文社文庫)地獄への階段 (光文社文庫)感想
元銀行員の神野と、元電機メーカー社員の菱田。それぞれ、社の詐欺被害の責任を取らされてエリートから転落した二人が、家電製品の大掛かりな取り込み詐欺を計画する。……最初「取り込み詐欺」の原理が解らなかったが、通常の取引を繰り返して信用されてから大量の商品を仕入れ、支払日前にドロンして商品は闇に流すのね。途中から完全に神野・菱田に肩入れして読んでいたので(被害者大勢いる筈なんだけど)、部下が勝手に動いて警察に尻尾掴まれたら「余計なことを!」と思い、ラストは「逃げ切れるか!?」とハラハラした。予想外に面白かった。
読了日:11月08日 著者:津本 陽

漫画版 日本の歴史 9 江戸幕府、始動 江戸時代前期 (角川文庫)漫画版 日本の歴史 9 江戸幕府、始動 江戸時代前期 (角川文庫)感想
表紙:川元利浩、漫画:備前やすのり。基本的に1600関ケ原戦後処理から、初代将軍家康→2代秀忠→3代家光まで。1~2章が冬・夏の陣を経て、幕藩体制を固める政治的な話。きまりと仕組み。安定化を目指す時代だから仕方ないが、ごめん、戦国に比べて展開が地味(苦笑)。3章の国際関係(南蛮貿易、島原の乱、禁教令・鎖国)と、4章の産業発展は、初耳が多くて面白かった。4章は河村瑞賢が東廻り航路(1671)・西廻り航路(1672)開いた後みたいなので、4代家綱(在職1651~80)の時代だと思う。家綱本人は登場しないけど。
読了日:11月14日 著者:

惨劇―石油王血族 (光文社文庫)惨劇―石油王血族 (光文社文庫)感想
サラ金の返済期限が迫る池谷は、伯父に借金を申し込むも断られ、一家三人を惨殺。逮捕され動機を問われた池谷は、幼少時からを回想する。満鉄の技術者だった父は、引き揚げ後は満足に稼げない。石油王一族の娘として育った母は父に不満ばかりぶつけ、息子たちに繰り返す。今は伯父が当主だが、自分たちも一族だ、財産は自分たちの物でもある。……これ、母親の育て方が悪いよなぁ。弟の学費を伯父が援助するのと引換に、池谷が武蔵野美専を辞めて伯父の会社に就職させられたのは可哀想。その後の生き方は“画家になるなる詐欺”で、全く同情できん。
読了日:11月15日 著者:清水 一行

黄色い風土 (講談社文庫)黄色い風土 (講談社文庫)感想
職場本棚。初出は昭和34年の連載。熱海で新婚旅行夫婦らしき男が水死、女は姿を消す。警察は自殺と判断するが、居合わせた週刊誌記者・若宮は裏を追う。小樽、真鶴、名古屋、犬山、岐阜、全国各地で続く不審な死。厚さ3.5cmあるが、清張にしては面白くない。若宮と編集長が、断片的な情報から推論積み上げるんだけど、何故か大体合ってるんだよね。不明者の身許も都合よく判明するし。旧軍が絡むなら、国際的な謀略までスケール大きくなることを期待したが、死人の数が多い割に主犯の動機が小粒だった……。ラストシーンは衝撃的で良かった。
読了日:11月18日 著者:松本 清張

小説帝銀事件 (角川文庫)小説帝銀事件 (角川文庫)感想
再読。昭和23年、12人が毒殺され金が奪われた帝銀事件。元警視庁幹部がGHQの横車を失言したのを契機に、仁科が裁判記録などを読み解く。仁科パートは架空(清張の考察)だろうが、事件の記述は恐らくほぼ実録。GHQは最後に少し出るだけ、”画家平沢に犯行は可能か(アリバイ、手法)”がメインだと思う。平沢本人が虚言症で、証言のどこを信じてよいか曖昧なのが辛い。〈古畑、桑島、中館の法医学者たちは〉〈毒物の専門的知識を持たない素人の犯行〉を主張、を読んで「下山事件の鑑定の面々だ!」と下山事件本を引っ張り出した。同時代。
読了日:11月20日 著者:松本 清張

天才画の女 (新潮文庫)天才画の女 (新潮文庫)感想
職場本棚。画家に師事した経験がなく独自の画風を持つ新進女流画家の、絵のルーツはどこか。本書の「謎」はそれだけで犯罪は起きないのに、一冊グイグイ読ませる清張凄い。最初に彼女の絵を認めた収集家の寺村社長。初見時は酷評したのに、寺村が褒めたと聞いて褒め始める評論家。評論家や新聞の美術記者を総動員して新人を売り出す画廊。ライバル画廊の社長は病弱で、経営を任されている支配人・小池が「謎」を追う。店舗を持たず画廊や旧家を出入りする風呂敷画商。美術界の闇満載。自分の好みで物を言い金を出す寺村が一番正直かも。面白かった。
読了日:11月21日 著者:松本 清張

下山事件完全版―最後の証言 (祥伝社文庫 し 8-3)下山事件完全版―最後の証言 (祥伝社文庫 し 8-3)感想
再読。占領下日本で起きた下山事件、祖父が関係者かもしれない。そう親族から聞いた著者は、取材を始める。私は大昔『日本の黒い霧』既読、『下山事件(シモヤマ・ケース)』→本書の流れ。未読の方は、他の下山本一つ読んでから本書を読んでほしい、驚くから。親族だからこそ出てくる凄い証言や凄い写真がバンバン出てくる。本書読んでから、満鉄や阿片王、731、松川事件などの本もいろいろ読んだが、下山事件って単体じゃ理解できないんだよね。昭電疑獄とか、物凄く『黒い霧』再読したい。戦後経済がよく分からないので勉強必要だ。
読了日:11月25日 著者:柴田 哲孝


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【2020/12/06 08:11 】 | 本関係 | コメント(0)
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