![]() さて、先日買ったドイル『シャーロック・ホームズ傑作選』(集英社文庫)。『ボヘミア王家のスキャンダル』『赤毛連盟』『花婿の正体』『五つぶのオレンジの種』『ゆがんだ唇の男』『まだらの紐』の短編6作が収録されているが、実は一番面白かったのは巻末の高橋克彦氏の文章だったりする。
高橋氏はホームズをこう評する。
好奇心だけは人一倍あるが、極端な人嫌い。コカイン(麻薬)の愛好者で、しばしば幻覚に悩まされる。偏執的な変装好きの上に自信過剰、しかも鼻持ちならない貴族趣味をひけらかし、謝礼についてもきちんと要求する。加えて、ただ一人の理解者であるワトスンを無能と嘲笑い、まるで部下のごとく顎で使い回す。(中略) 冷静に考えると、どうしてこんな探偵が多くの読者に支持されているのか分からなくなってしまう。 そうそう、その通り! 私もそう思ってたのよ~。 高橋氏曰く、「ホームズは長編を飽きずに読ませるだけの人物的魅力を備えていない」が、短編ではその性格が「すべてプラスの側に出る」とのこと。確かに、この短編集ではホームズの天才肌が前面に押し出されて、欠点はあまり目立たなかったかも。先に長編3つを読んだのが間違いだったか(汗)。 PR |
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