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2021年8月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1946
ナイス数:475


戦後最大の偽書事件「東日流外三郡誌」 (集英社文庫)戦後最大の偽書事件「東日流外三郡誌」 (集英社文庫)感想
青森県の民家から戦後「発見」された、東北に大和政権と対立する王国があったとする大量の古文書。90年代の真贋論争を、地元紙の新聞記者が追う。論争当時を知らないので、完全に“偽書”の前提で読む。めちゃくちゃ面白かったが、私は部外者だから手放しに楽しめるのであり、仮に自分の地元が巻き込まれたら激怒するのでは。村史として公的に出版されたり、神社が偽物の御神体を掴まされたり。「発見」者よりも、擁護派の大物の学者(?)のほうが、何考えてるか解らん。本気で信じていたのか、利用していたのか。旧石器捏造の本も読みたくなる。
読了日:08月09日 著者:斉藤 光政

高丘親王航海記 (文春文庫)高丘親王航海記 (文春文庫)感想
初渋澤作品。幼時、父帝の寵姫・藤原薬子が高丘親王に囁いた、甘美な天竺の夢。薬子の変後に廃太子された親王は、出家し、67歳で唐から天竺へ向け船出する。航海はスムーズに行かず、南海諸国を放浪。漢字表記の地名が現在のどこなのか分かりづらくて地図欲しいが、文章がとにかく美しい。三島『豊饒の海』3巻と、井上靖『敦煌』読み返したくなった。言葉を喋る儒艮や、下半身が鳥の美女、幻想的な生き物の数々。もっと年をとって死ぬときに親王のような心境になれたら、死が怖くなくなるのだろうか、無理だろうけど。みーこ、みーこ、と鳴く鳥。
読了日:08月12日 著者:澁澤 龍彦

旧石器遺跡捏造 (文春新書)旧石器遺跡捏造 (文春新書)感想
職場本棚。朝日新聞社の科学ジャーナリストで、記事や書籍で藤村神話を称賛したこともある著者が、反省しつつ経緯をまとめる。本書は捏造発覚までの過程よりも、発覚後、過去の業績が捏造か否かをいかに検証するか、の部分が興味深い。ガジリ、鉄線条痕、石材分析、付着土、火砕流堆積層。(発覚前に指摘した人も少数いたけど)最初からこれくらい批判的に検証してたら、すぐバレたってことだよね。捏造発覚が2000年で、本書は2003年。時期的に、全部の検証は済んでない頃ではないかと思うので、もう少し年数が経った時点での本も読みたい。
読了日:08月14日 著者:河合 信和

象られた力 kaleidscape (ハヤカワ文庫 JA)象られた力 kaleidscape (ハヤカワ文庫 JA)感想
4篇。『デュオ』調律師の目から見た、新人天才ピアニスト。歌曲のシーンが、その曲のメロディもミニョンの物語も何も知らないのに、紙面から少女の叫びが目に突き刺さってくる。傷と狂気。行こうよ! 『呪界のほとり』飛さん、こんなのも書くんだ、というコミカルなノリ。『夜と泥の』L&S協会がテラフォームした惑星に入植、という世界観は表題作と共通。『象られた力』突如滅んだ惑星〈百合洋(ユリウミ)〉の図形文化が大流行するシジックで、協会から図形の調査を依頼された圓。全てが裏返る瞬間は、情景が目に見えるよう。錦と環嫌い……。
読了日:08月17日 著者:飛 浩隆

宝石の国(9)特装版 (プレミアムKC)宝石の国(9)特装版 (プレミアムKC)感想
引っ越す後輩から1-10巻を貰った(特装版の付録以外)。フォスの誘いで月へ行った宝石6人。残った宝石に先生が、機能制限されまくりだが話せる範囲内で自分のことを話す。ボルツとかフォスのこと超怒ってるけど(わざと宝石たちを分断するような誘い方したから、残存組に恨まれるのも当然だけど)、フォスが事態を動かさなければ、金剛と宝石の新しい関係は生まれなかったよね……。月で、束縛から解放されて自由になるカンゴーム。一番尊いもの、自由。月の技術でも何でも可能なわけではなく、できないこともある。硬度5の線引き。辛い……。
読了日:08月25日 著者:市川 春子

宝石の国(10)特装版 (プレミアムKC)宝石の国(10)特装版 (プレミアムKC)感想
引っ越す後輩から1-10巻を貰った(特装版の付録以外)。結婚式の宝石の感想「顔割れるじゃん」で笑った。「自分の力で周りをうまく動かしてるつもりなんだろうが 実際はいつも誰かが察して我慢して協力してるんだぞ」宝石の再生とアドミラビリスの天秤に悩んだり、フォス本人は頑張ってはいるんだが、カンゴームの諫言が的確過ぎだわ。一人で地上に戻ったフォスは、かつての仲間に全身分断されて。頁と頁の間で軽く220年過ぎてるのが、この話の恐ろしいタイムスケールだよな……。「疲れ果てました」って言う最後のフォスの姿が救われない。
読了日:08月25日 著者:市川 春子

一変世界 3 (BUNCH COMICS)一変世界 3 (BUNCH COMICS)感想
引っ越す後輩から全3巻を貰った。なぜ14代大巫女は神殿から逃亡したのか。欠けた14代の日記を求めてプーリョは神殿外に旅立ち、奉唱会はアガサが大巫女見習いとして務めることに。盛装のアガサ綺麗。神と魔は同じもの。神の恵みと命の危険が地続きで、容赦なく人の命を奪うこの世界観好きなんだが、「大人の事情」で全3巻。あと1巻くらい欲しかったかなぁ。14代やブレダンや三賢人、プーリョとデラ神殿周辺の謎は概ね決着したので納得して読了できたが、王宮とかキ家とか太陽神殿とかの政治周りで他にも面白いことありそうだった気はする。
読了日:08月26日 著者:明治 カナ子


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【2021/09/04 10:35 】 | 本関係 | コメント(0)
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