忍者ブログ
2024年3月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1638
ナイス数:402


宇宙最大の爆発天体ガンマ線バースト (ブルーバックス)宇宙最大の爆発天体ガンマ線バースト (ブルーバックス)感想
職場本棚。2014年刊。GRBだけで一冊あるの! と驚くも、読みながら目から鱗の連続。相対論効果で、地球に届いたとき波長が縮んでガンマ線に見えてるだけで、放出された現場ではX線! 昔、残光観測に一度だけ参加したが、今頃理解して御免なさい御免なさいと当時の関係者に謝りながら読んでたよ……。最初は核実験監視用人工衛星で発見された(大気中核爆発はガンマ線を出す)ので国家機密だったGRB。飛来する方向を精密に求め、正体を突き止めるまでの試行錯誤の歴史。X線も出すのでX線衛星活躍。マグネターは軟ガンマ線リピーター。
読了日:03月03日 著者:村上 敏夫

三体問題 天才たちを悩ませた400年の未解決問題 (ブルーバックス)三体問題 天才たちを悩ませた400年の未解決問題 (ブルーバックス)感想
職場本棚。2021年刊。2次方程式には解の公式がある。3次、4次も解ける。しかし5次方程式は「代数的に」解くのは不可能(ガロア理論)。代数的でなければ解法あり。二体問題(二つの天体の運動)は求積法(グラフの面積を求める)で解ける。しかし三体問題は「可積分性」がないので求積法を使えない。特殊な条件下の解を数値計算することは可能。直線解、三角解(ラグランジュ点)、8の字解とか楽しい。一般相対論が入ると、重力波を放出しながら軌道が変わるので、ますます三体問題は困難に。本書読書中に『三体』文庫出てたのでつい購入。
読了日:03月10日 著者:浅田 秀樹

ダークマターとは何か 天の川銀河探査で挑む宇宙論最大の謎 (PHPサイエンス・ワールド新書)ダークマターとは何か 天の川銀河探査で挑む宇宙論最大の謎 (PHPサイエンス・ワールド新書)感想
職場本棚。2012年刊。著者は赤外線位置天文観測衛星「ジャスミン計画」シリーズのチーム。昨年、(本書の時点では13年度打ち上げ予定だった)Nano-JASMINE衛星の『実機』の展示を見たので、ジャスミン目当てで読んだが、衛星の説明は少なかった。ウクライナのロケットか……。天文学、宇宙論、素粒子論から要請されるダークマターの条件。見えている星の位置と運動を正確に測ることで、見えないダークマターの分布を求める。欧州のガイア衛星(可視光)では観測しづらい銀河系中心方向を赤外線で測るのがジャスミンのターゲット。
読了日:03月16日 著者:郷田 直輝

大栗先生の超弦理論入門 (ブルーバックス)大栗先生の超弦理論入門 (ブルーバックス)感想
職場本棚。2013年刊。素粒子が点でなく1次元の弦の振動なら、無限大を回避。開いた弦は光子、閉じた弦は重力子。弦理論はボゾンのみ。超弦理論は「θを座標とする超空間」(θ×θ=0)を考えてフェルミオンも含む。超弦理論で光子の質量をゼロにするには、9次元しか駄目。9次元を、6次元のカラビ-ヤウ空間でコンパクト化したからクォークは3世代。重力の超対称性(ボゾンとフェルミオンの入れ替え)を考えた10次元の超重力理論では、弦ではなく2次元の膜。勿論100%理解はできないが、次元が9であることに理由があるのは解った。
読了日:03月23日 著者:大栗 博司

三体 (ハヤカワ文庫SF)三体 (ハヤカワ文庫SF)感想
文化大革命で殺された大学教授の娘で、天体物理学者の葉文潔が連れてこられたのは、秘密プロジェクトの軍事基地だった。数十年後。ナノマテリアル研究者・汪淼は、科学者連続自殺の捜査に巻き込まれる。三体問題の本を読書中に本書を購入したのだが。手を付ける前に、本書とは無関係に読んでた超弦理論と素粒子論の本のほうが理解の役に立ってる……(後半)。読み始めたら一日で読破。VRゲーム『三体』の中の描写が楽しい。人力フォン・ノイマン・コンピュータとか周期が不安定な振り子とか。“虫けら”が奮起するラスト。これは続きも購入だな。
読了日:03月30日 著者:劉 慈欣




拍手[0回]

PR
【2024/04/02 21:33 】 | 本関係 | コメント(0)
<<【小話】御石2 | ホーム | 【小話】間取8>>
コメント
コメント投稿














<<前ページ | ホーム | 次ページ>>