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【感想】わが愛しき娘たちよ
わが愛しき娘たちよ  コニー・ウィリス『わが愛しき娘たちよ』(ハヤカワ文庫SF)は、ヒューゴー賞・ネビュラ賞受賞作『見張り』、ネビュラ賞受賞作『クリアリー家からの手紙』を含む短編集である。というか、原書のタイトルは"FIRE WATCH"=『見張り』なんだよね。でも短編集の邦題が『見張り』だったら、地味すぎて目に留まらないかもしれない(汗)。
(一昨日のブラッドベリ短編集『二人がここにいる不思議』(感想)は、もし邦題『トインビー・コンベクター』だったら何だかわからないに違いない……。)
 そう考えると、邦訳での表題作変更というのは意味があるんだなーと、妙に納得してしまった。

 しかし、やっぱりこの本は『わが愛しき娘たちよ』が一番面白いのよ。初めて読んだときは、性器や性行為を指す俗語続出で回れ右しようかと思ったが。翻訳者というのは下品な語彙も豊富でなきゃいけないんだ、と妙なところで納得したものだ(作家本人は、使いたくなきゃ使わなくて済むからね)。
 この作品、アメリカで大論争を引き起こしたらしい。主な反発意見の一つに「どうしようもなく不道徳な物語だ」というのがあるのだが、解説の山田和子氏曰く「セックスが露骨に書かれているというだけで顔をそむける読者は、SFはもとより小説そのものを読むのをやめた方がいい」。……私、やめた方がいい?(汗) でもこの話、放送禁止用語は頻出するが、性行為の経過を事細かに描写してるわけじゃなし、言葉が過激なだけで実はさほど露骨じゃないと思うんだよなー。

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【2004/08/07 21:00 】 | 感想SF | コメント(0)
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