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【感想】説きふせられて
説きふせられて ジェーン・オースティン『説きふせられて』(岩波文庫)。出張の道中で読破。

 従男爵家の次女アンは、周囲に説得され、海軍士官ウェントワースとの婚約を破棄した。
 それから8年。財政難に陥った従男爵が邸を人に貸したのがきっかけで、2人は再会し……。


 説きふせられる過程が描かれていると予想して読み始めたが、それは過去の出来事。物語が始まった時点で、既に8年経っている。
 『高慢と偏見』(感想)のエリザベスもそうだが、アン、家族内で一番分別があるのに、家族にそれを正当に評価されていない(汗)。無分別な人間は、“自分に分別がない”ことも理解しないから、「他人がおかしい」と考えるんだよな。
 幸せになって然るべき女性が、幾多の困難を乗り越え、愛する男性と結ばれる。という、パターンというか、安心して読める小説。……家族が自分の非を認めてくれると、読後、よりスッキリできるのだが。考えを変えてウェントワースを受け入れたわけではなく、彼が成功者になったから黙認しただけ。しかし、世の中そう何もかも上手くはいかないよ、ということかもしれない(苦笑)。

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【2007/02/18 21:00 】 | 感想海外文学 | コメント(0)
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