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【感想】高慢と偏見
高慢と偏見  ジェーン・オースティン『高慢と偏見』(岩波文庫)。「プライドと偏見」という邦題で映画化されたが、高慢とプライドではニュアンスが違う気が。「彼はプライドが高い」は必ずしも悪口ではないが、「彼は高慢だ」はどう転んでも悪口。で、この話の場合は高慢が正しいよね(笑)。

 裕福で家柄もよいが、非常に態度の悪いダーシー氏。そんな彼が嫌いなエリザベス。ダーシーは彼女に高慢な態度で求婚し、エリザベスは手酷く拒絶。しかし彼女はその後、今まで彼を偏見で判断していたことに気付く。
 エリザベスが自分の非を認め、ダーシーへの感情も変化していく過程は、読んでいて引き込まれる。一方、次に顔を合わせたときダーシーの態度が一変しているのは、唐突な印象。エリザベスにぴしゃりと言われて反省したらしいけれど、途中の描写がないのよね。エリザベス視点の話だから仕方がないが、できればそこが読みたいぞ。
 ところで。エリザベスの母ベネット夫人、『白痴』(感想)アグラーヤの母リザヴェータ夫人並みに迷惑だと思うが、リザヴェータ夫人は最後の最後のところで憎めないのに対し、ベネット夫人は最早どうしようもないのは何でだろう(汗)。

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【2007/02/07 20:00 】 | 感想海外文学 | コメント(0)
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