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【感想】ロビンソン・クルーソー
ロビンソン・クルーソー デフォー『ロビンソン・クルーソー』(岩波文庫)。原作では第三部まであり、岩波文庫は上下巻で第一部と第二部を収めている。
 18歳で家出して船乗りになったロビンソン・クルーソー。26歳のときブラジル付近で船が難破、漂着した無人島で28年間を過ごす。脱出に成功して英国に帰る(第一部)。財産も家庭もできたものの放浪癖が抜け切らず、61歳で再度旅へ。例の島を再訪したのちインド、中国を訪れ、陸路ロシアを経て、出発から10年後に帰国(第二部)。


 子供向けの本で読んだ、無人島サバイバル生活は第一部。何でも自分で作ってしまうところが大好きだった。が、ちゃんと読んでみると、「プロテスタント万歳」って本だったのねコレ(汗)。ローマ・カトリックやロシア正教に対しては、方法は違えども同じ神を崇めているから、と寛容なんだけど。
 自堕落な船乗りだったクルーソーが孤島生活で信仰に目覚める件や、島で助けフライデイと名付けた現地人にキリスト教を説く件は良い。が、第二部になると鼻についてくるというか……ロシアの僻村で異教徒が偶像崇拝してたからといって、夜襲して僧侶を縛り上げ偶像を焼き払うなよ(汗)。
 マダガスカルで彼の船の船員が現地の娘に手を出し、怒った村民に殺された。このことに他の船員が逆上、村を襲撃して大量虐殺した事件があり、このときクルーソーは船員を非難した。 一方、ロシアの僻村でロシア人が礼拝中の村民を侮辱したために殺された事件を聞くと、マダガスカルの一件を例に出した上で「われわれもこの村を同じように始末すべきだと思う」とまで言う。異教徒とはいえ人殺しはしたくない、と考える程度の自制心はあったが。
 現地の娘に手を出すのは罪だが、異教徒の礼拝を侮辱するのは正義なんだろうな……。

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【2007/08/22 21:00 】 | 感想海外文学 | コメント(0)
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