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【感想】竜が飛ばない日曜日
 咲田哲宏『竜が飛ばない日曜日』(角川スニーカー文庫)。

 何かがおかしい。
 学校に竜がいるだなんて絶対に非日常の光景であるはずなのに、自分以外の誰もがそれを当たり前のことだと感じている。
 そして、生徒を竜の餌として捧げる《捕食の儀式》。餌に選ばれることは最高の栄誉だという――!
 狂った世界の中で、親友の死の真相を探る貴士と、〈第二〉月曜日を迎える瑞海だけが、異変に気づいた。しかしそれゆえに、彼らは追い詰められていき……。

 異常なことを、自分以外の誰一人として“異常”と感じていなかったら……それは、ものすごく怖いことだと思う。異常だと口にしただけで、世界中の人間全てを敵に回してしまうのだとしたら。教師もクラスメートも家族も、全て。
 ここは、そんな悪夢のような世界なのですが……とりあえず一言。
 ――竜って、そんなに種類いたんだ(爆)。
 いえ、神話とか伝説に登場する竜の名前がいくつか出てくるんですけどね、私ほとんど知らなかったんですよ。竜と言えば『ゲド戦記』のペンダーの竜イエボーとか、『ロードス島戦記』の火竜シューティングスターとか……(違うって)。どんなことでも、知識ってのは武器ですね。
 竜たちの支配する世界の中で、貴士と瑞海は立ち向かうことを決意する。貴士は殺された親友のために、そして瑞海は大切な親友を守るために。言葉で書くと途端に安っぽくなってしまいそうですが、この話で私が一番好きだったのは、瑞海の思いの強さのような気がします。

――千伽、わたし、胸張ってるよ。

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【2001/09/08 21:00 】 | 感想ライトノベル | コメント(0)
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