忍者ブログ
【短歌】書架(国内SF)
 本を読んだ感想の短歌、本の内容を踏まえた(感想ではない)短歌etc.。国内SF編、著者の姓のアイウエオ順。海外編はこちら


秋山瑞人
『猫の地球儀』
あの青い星を目指して飛んでいく夢を見ている猫の憂うつ

『おれはミサイル』
永遠に落ちゆくよりも潔く敵と散るのがおれの生きざま


新井素子
『チグリスとユーフラテス』(感想
惑星の最後の月が沈んでも蛍が空に河を描くよ


伊藤計劃
『虐殺器官』
赦しなどどこにもなくてからっぽの僕のからだにピザの晩餐

『ハーモニー』
さようなら「わたし」であった物語そんな世界を愛していたわ


岩本隆雄
『星虫』(感想
世界中全てを敵に回しても信じていれば夢は叶うよ

『鵺姫真話』
初恋は時間の向こう金色の野がどこまでも続く大地で

『イーシャの舟』
あの場所が僕らの秘密基地だったいつかみんなで宇宙で会おう


冲方丁
『微睡みのセフィロト』
望まざる者にも門を開け放ち目覚めを強いる黒い満月

『マルドゥック・スクランブル』
ああこれでやっと眠れる茹で過ぎて涙も出ない生の終わりに


円城塔
『Self‐Reference ENGINE』
さようなら無数のわたし こんなにもわたしはおじいちゃんの孫です


乙一
『陽だまりの詩』
喪失を教えたあなたを恨みますそしてあなたを愛しています


上遠野浩平
『ぼくらは虚空に夜を視る』
護られた夢だとしても日常は時にハードで逃げたくもなる

『わたしは虚夢を月に聴く』
月面を跳ねる兎が描く地図に「かぐや」跡地と記しておいて

『あなたは虚人と星に舞う』
ただ君が帰る日のため幻想の街で僕らの芝居は続く


神林長平
『永久帰還装置』
もういないあなたの名残り太陽の匂いの猫を抱きしめている

『死して咲く花、実のある夢』
空を飛ぶ鯨の日和僕からの声は誰にも届かないだろう

『七胴落とし』
なまくらな大人になるより切れたがる君に誕生祝いの歌を

『戦闘妖精・雪風〈改〉』
南極の門の向こうの空を舞う妖精に問え敵は何かと

『グッドラック 戦闘妖精・雪風』
対話せよ己が何か自覚せよおれたちは必ず生き残る

『アンブロークン・アロー 戦闘妖精・雪風』
我思う故に我あり梓弓放たれた矢が射抜く蒼天

『ぼくの、マシン』
パソコンが絶滅した日少年のぼくが亡くしたぼくのともだち

『魂の駆動体』
秋白し心ゆくまで遊んだら林檎の下で猫と昼寝を

『敵は海賊・A級の敵』
食べられるか食べられないかが重要だ猫は天でも鶏を狩る


北野勇作
『かめくん』
かめだって頑張っている背中には世界が詰まった甲羅をしょって


小松左京
『継ぐのは誰か?』(感想
科学者は観察すべし人類が滅びに至る過程ですらも

『果しなき流れの果に』
さらさらと時計の砂は果てしなくわたしは永久(とわ)にあの人を待つ

『復活の日』
凍てついた地に閉ざされて人々はそれでも新たな命を祝う


桜庭一樹
『ブルースカイ』(感想
青い空から落ちていく人生で最後の日でも空は綺麗だ


菅浩江
『五人姉妹』
命とは何なのでしょうトーストに開けた窓から求める未来


高畑京一郎
『タイム・リープ―あしたはきのう』
火曜日はいつ来るでしょう山盛りのカットフルーツお好きでしょうか


谷川流
『涼宮ハルヒの憂鬱』
つまらない毎日ならば面白いことを創って遊んでやるわ


飛浩隆
『グラン・ヴァカンス』
千年の夏に一夜の絶望を 君が好きだと言えて良かった

『夏の硝視体』
思い出はしっぽのかたちふわふわのうさぎが跳ねる夏の草原

『ラギッド・ガール』
わたくしの痛みを傷を集めてよあなたの中で生きていくから

『魔述師』
君と見た鯨の空を忘れない夏の海辺の砂と化しても


長谷敏司
『戦略拠点32098 楽園』(感想
永遠の少女が暮らす楽園の夜空にはもう流れない星

『天になき星々の群れ フリーダの世界』(感想
硬質のレンズを纏う優しさに侵されていくわたしの鎧

『あなたのための物語』
執拗に私は私になりたいの死が物語を終わらせるまで

『地には豊穣』
ひとりきり遠い宇宙に手を伸ばす花の骸を踏みしめながら


星新一
『午後の恐竜』(感想
惑星の夢の終わりに抱かれて今ぼくたちも眠りにつこう


森博嗣
『スカイ・クロラ』(感想
運命に干渉してよ愛なんて言葉じゃ空も飛べないでしょう?


光瀬龍
『百億の昼と千億の夜』
破滅とは変転なるかただひとり寄せてはかえす波の音を聞く

拍手[1回]

PR
【2012/06/02 23:18 】 | 短歌 | コメント(0)
<<【小話】ナビ2 | ホーム | 【小話】ナビ>>
コメント
コメント投稿














<<前ページ | ホーム | 次ページ>>